小菊成分
小菊成分、甘々成分たっぷりのお話。
小菊が言い終わらないうちに、永倉はたまらなくなってその体を抱きしめていた。
「ああ〜……小菊、しばらくこのままで居させてくれ!小菊成分が不足して、俺どうにかなっちまいそうなんだ!」
「こ、小菊成分??」
永倉の言葉に疑問を持ちながらも、小菊は永倉の好きにさせていた。
(細えな、相変わらず)
「うーん、小菊の匂い……いい匂い……」
「兄さん。なんか変ですよ?やはり熱があるんじゃ……」
「いい加減にしな、永倉。いくら優遇されているとはいえ蟄居は蟄居だ!」
「ぐぇ」
いつのまに来ていたのか。そこには永倉の首根っこを引っ掴んで小菊から離すおとめがいた。
「ああ、よかった。兄さんは熱があるわけじゃなかったんですね」
的外れなことを言う小菊に永倉はデレデレし、それに気付いたおとめが永倉を小突いた。
「あ、そうだ。兄さん……今日は兄さんのために菓子を作って来たんです」
そう言って小菊が出して来たのは、勿忘草の菓子だった。
「胡蝶蘭じゃなくてすみません。受け取ってもらえますか?」
「……当たり前だろ。小菊が作ったものは何でも受け取る」
そう即答する永倉に、小菊は頬が熱くなるのを感じた。
「あ、あの……兄さん……」
「ん?」
「俺、わ、私……そんなに綺麗ですか?//」
「え……」
永倉の目の前にいる小菊は、勿忘草の菓子を持ち、ほんのりと頬を染めて、いつもは前髪で隠れているはずの瞳が、桔梗のかんざしの光を反射してキラキラと輝いて……
「そりゃお前ェ……世界一綺麗だよ……」
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