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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第二十四章・騒動後・平穏な日々

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小菊成分

小菊成分、甘々成分たっぷりのお話。

 小菊が言い終わらないうちに、永倉はたまらなくなってその体を抱きしめていた。


「ああ〜……小菊、しばらくこのままで居させてくれ!小菊成分が不足して、俺どうにかなっちまいそうなんだ!」


「こ、小菊成分??」


 永倉の言葉に疑問を持ちながらも、小菊は永倉の好きにさせていた。


(細えな、相変わらず)


「うーん、小菊の匂い……いい匂い……」


「兄さん。なんか変ですよ?やはり熱があるんじゃ……」


「いい加減にしな、永倉。いくら優遇されているとはいえ蟄居は蟄居だ!」


「ぐぇ」


 いつのまに来ていたのか。そこには永倉の首根っこを引っ掴んで小菊から離すおとめがいた。


「ああ、よかった。兄さんは熱があるわけじゃなかったんですね」


 的外れなことを言う小菊に永倉はデレデレし、それに気付いたおとめが永倉を小突いた。


「あ、そうだ。兄さん……今日は兄さんのために菓子を作って来たんです」


 そう言って小菊が出して来たのは、勿忘草(わすれなぐさ)の菓子だった。


「胡蝶蘭じゃなくてすみません。受け取ってもらえますか?」


「……当たり前だろ。小菊が作ったものは何でも受け取る」


 そう即答する永倉に、小菊は頬が熱くなるのを感じた。


「あ、あの……兄さん……」


「ん?」


「俺、わ、私……そんなに綺麗ですか?//」


「え……」


 永倉の目の前にいる小菊は、勿忘草の菓子を持ち、ほんのりと頬を染めて、いつもは前髪で隠れているはずの瞳が、桔梗のかんざしの光を反射してキラキラと輝いて……


「そりゃお前ェ……世界一綺麗だよ……」


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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