味噌屋にて。
小太郎は店に入った途端、店主と調味料をさっさと決めていく。
篝は早速つまみ食いをしようとしていた。
「ここは味噌だけじゃなく、醤油もあるし、塩も、昆布もある。台所に不足しているものが全部揃うよ。ちょっと店員さんと話してくるから、沖田さんは篝を見ていてください」
「は?なんで僕が山猫を……」
沖田がそう返すと、小太郎は困ったように眉根を下げた。
「篝がつまみ食いしないように監視しててください」
篝を見ると、店に出ている味噌田楽に手を伸ばしている篝の姿が。
沖田は慌てて篝を止めに行った。
「壬生屯所の台所のものです。今日は味噌ともろもろ買いにきましてーー」
店主とああでもない、こうでもない、と言いながら小太郎は次々と何を買うか決めていった。
屯所の隊士たち、それぞれの好み、どんな硬さが好きか、どんな甘味が好きか、小太郎はある程度把握していた。
「はい、これでお願いします。篝、とりあえず今足りないものを運んでくれないか?」
いくら馬鹿力があるとは言っても篝は女。その細い腕を見て小太郎は若干の心配を覚えた。
「大丈夫?もし無理だったら虎之助さんに頼むんだけど……」
「いや、大丈夫だよこんなもん。軽々と持てる技があるんだよ」
そう言って篝は文字通り軽々と味噌の入った甕を肩に担いだ。
「さすが山猫。野生の力ですね」
「ああ?やんのかコラ」
「あ、沖田さんもついでに頼まれてもいいですか?そのかわり今日の夕餉の手伝いはいいので……」
そう言ったかと思うと小太郎は沖田に酢、醤油、塩、甘酒、昆布、菜種油などを次々と寄越した。
「量があると結構重いですね」
「やはり重いですか?」
小太郎が沖田に渡した荷物のどれかを持とうとすると、沖田はそれを止める。
「いや、貴重な体験ができてよかったです。僕は普段刀しか持ったことないですから」
それを聞いて小太郎はホッとした。
しばらくはこんな感じのほのぼの話が続きます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




