沖田は篝の事になると必死
喧嘩ップル二人が容保公の命を受けて、台所に来た。
気付いた小太郎が二人に声をかける。
小太郎は気がついて顔を挙げる。
「沖田さん、篝!お帰りなさい!黒谷に行ったんだけどあいにく会えなくて心配だったんです」
言いながら小太郎はドサっときゅうりの入った籠を運ぶ。
「……おとめさんに聞いたはずでしょう?台所の手伝いだって」
沖田が口を開く。
「はい、だから今から沖田さんにはきゅうりの塩もみを頼みます。篝は……そら豆の皮剥きをお願いしていいかな」
篝の顔がパッと明るくなる。
「そら豆!?つまみ食いしていい!?」
「……火を通さないとダメだよ。美味しくないよ」
小太郎は困ったように笑う。
本当はそのままでも食べていいのだが、そら豆は茹でた方がいい。
「火を通したら食ってもいい?!」
「ああ、篝用に分けとくから落ち着いて。途中で食べないように!」
「小太郎ォォォォ〜!!」
篝は小太郎に抱きつき、そのままぴょんぴょん飛び跳ねた。小太郎の軽い体が篝の馬鹿力で浮いている。
「ちょ、ちょっと篝落ち着いてーー」
その時だった。
ギシ……
背後で何かが軋む音がした。
「……山猫、その手を離してください」
静かで冷たい沖田の声だった。
篝が振り返ると、そこには全然目が笑っていない沖田が。
「山猫は今、小太郎からそら豆の皮剥きを命じられたでしょう?抱きついてないでさっさと持ち場に戻るべきです」
篝は何故沖田が殺気をむき出しにしているのかわからない。
「……??嬉しかったから抱きついただけなのに、なぁ小太郎?」
「沖田さんの言う通りだよ、罰は罰なんだからさ」
小太郎が困ったように眉根を下げた。
(沖田さん、篝のことになると必死だなぁ)
「はーい。やったァ!小太郎が取り分けてくれるんだってぇ!おい馬鹿犬、羨ましいだろ」
「……山猫、黙ってください。斬りますよ」
沖田はそう言ったかと思うと腰の刀に手をかける。
「なんでさっきからそんなキレてんだよ!そんなにそら豆が羨ましかったのか?馬鹿犬にもあげるよ、箸の使い方も教えてもらったしな。そのお礼!」
「ッ……」
沖田は篝の庵で箸を作って、箸の使い方を教えたことを思い出した。
沖田と篝、結局ラブラブだと思うのは私だけでしょうか。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




