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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第二十三章・騒動後・容保公の審判

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沖田は篝の事になると必死

喧嘩ップル二人が容保公の命を受けて、台所に来た。

気付いた小太郎が二人に声をかける。

 小太郎は気がついて顔を挙げる。


「沖田さん、篝!お帰りなさい!黒谷に行ったんだけどあいにく会えなくて心配だったんです」


 言いながら小太郎はドサっときゅうりの入った籠を運ぶ。


「……おとめさんに聞いたはずでしょう?台所の手伝いだって」


 沖田が口を開く。


「はい、だから今から沖田さんにはきゅうりの塩もみを頼みます。篝は……そら豆の皮剥きをお願いしていいかな」


 篝の顔がパッと明るくなる。


「そら豆!?つまみ食いしていい!?」


「……火を通さないとダメだよ。美味しくないよ」


 小太郎は困ったように笑う。

 

 本当はそのままでも食べていいのだが、そら豆は茹でた方がいい。


「火を通したら食ってもいい?!」


「ああ、篝用に分けとくから落ち着いて。途中で食べないように!」


「小太郎ォォォォ〜!!」


 篝は小太郎に抱きつき、そのままぴょんぴょん飛び跳ねた。小太郎の軽い体が篝の馬鹿力で浮いている。


「ちょ、ちょっと篝落ち着いてーー」


 その時だった。


 ギシ……


 背後で何かが軋む音がした。


「……山猫、その手を離してください」


 静かで冷たい沖田の声だった。


 篝が振り返ると、そこには全然目が笑っていない沖田が。


「山猫は今、小太郎からそら豆の皮剥きを命じられたでしょう?抱きついてないでさっさと持ち場に戻るべきです」


 篝は何故沖田が殺気をむき出しにしているのかわからない。


「……??嬉しかったから抱きついただけなのに、なぁ小太郎?」


「沖田さんの言う通りだよ、罰は罰なんだからさ」


 小太郎が困ったように眉根を下げた。


(沖田さん、篝のことになると必死だなぁ)


「はーい。やったァ!小太郎が取り分けてくれるんだってぇ!おい馬鹿犬、羨ましいだろ」


「……山猫、黙ってください。斬りますよ」


 沖田はそう言ったかと思うと腰の刀に手をかける。


「なんでさっきからそんなキレてんだよ!そんなにそら豆が羨ましかったのか?馬鹿犬にもあげるよ、箸の使い方も教えてもらったしな。そのお礼!」


「ッ……」


 沖田は篝の庵で箸を作って、箸の使い方を教えたことを思い出した。

沖田と篝、結局ラブラブだと思うのは私だけでしょうか。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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