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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第二十三章・騒動後・容保公の審判

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小太郎と小菊・二足の草鞋

場所は変わってここは屯所の台所。小太郎はその有様を見て愕然とした。

「わぁ……」


 着流しに着替え、サラシを巻き。白い肌に泥をつけて前髪を垂らし、すっかり元の姿に戻った小太郎は、屯所の台所を見て絶句した。


 囚われている間、隊士たちが使ったと思われる台所には粟がこびりついたまま流しに置いてある茶碗と、何かを作ろうとして失敗したであろう黒コゲのお鍋。

 洗わずに齧り付いた野菜の切れ端。


 自分がちょっと居ないだけで、台所はこんな悲惨な状態になるのかと、小太郎は逆に感心した。


 唯一無事?というか形になっていたのは豆腐の味噌汁だった。

 これだけは何故か丁寧に作られていたが、一人しか食べた形跡がなかった。


「……まずは掃除から始めるか」


「小太郎、帰ったのか」


 耳触りのいい低い声がした方を見ると、そこには土方が立っていた。


「あ、土方さん。どうしてこんな所に……すみません、すぐに片付けますので……」


「いや、いいんだ。隊士たちの飯を作ってやろうと思ったのだが、あいにくその味噌汁しか作れなくてな。でもその味噌汁も、途中で味噌が切れちまって……結局作り切れなかった」


 小太郎はそれを聞いて目を丸くした。

 

 組長クラスは料理もできるのかと。


「ではこの味噌汁は土方さんが用意されたんですね。お忙しいのにすみません」


「いや……小太郎こそ、大変だったな。よく戻ってきてくれた」


 土方は小太郎が攫われたことも、永倉が勝手に動いたことも何もかも知っていた。


「そんな……謝るのはこっちの方です。俺が呑気に菓子なんか作ってたから……」


「……そこでだ。台所に見張りをつけることにした」


小太郎のスイッチが切り替わりました。

壬生の台所モードです。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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