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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第二十三章・騒動後・容保公の審判

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絶叫の永倉

今回はただ永倉が面白いだけのほのぼの回だと思います。

 黒谷・客人用の離れ座敷にてーー


 永倉新八は蟄居(ちっきょ)されていた。


 というか「蟄居」というのはこれまた名ばかりで、永倉は容保公と敏姫様に頼まれて「蟄居されている体」にしているだけで、実際はかなり優遇されていた。


 茶は出るし、縁側もある。手入れされた庭には椿も咲いて。

 流石に酒は制限されているが、飲めないわけではなかった。


 ただ永倉は暇だった。

 

 剣の稽古をしたいが、藁束は用意してくれるだろうか?


 横になった永倉がそんなことを考えているとーー


「……兄さん、昼飯です」


 小太郎!?なんで黒谷に!?


 永倉が驚いて声のした方を振り向いた時ーー


「え……」


 そこには薄藤色の着物を着て、桔梗のかんざしを揺らす美しい女子(おなご)が微笑んで座っていた。


「え?え?え?え?今小太郎の声が確かにしたんだけど……」


 目の前の女子(おなご)が困ったように笑う。


「兄さん、俺です。小太郎です」


 目が隠れるほど伸びた前髪は整えられて、ざんばらだったはずの黒髪は結いあげられて、そこに桔梗のかんざしが揺れて。


 小太郎の美しい白い肌と、美しい顔がはっきりと。唇にはほんのり桜色の紅が施されており、どこからどう見てもいつもの小太郎ではなかった。


「こ、こ、こ、こ、」


「……??兄さん?」


「小太郎をこんなに綺麗にしやがったのは誰だーーーーッ!!!!」


 永倉の絶叫は、黒谷の屋敷中に響いた。


 書物を読んでいた容保公は、仕方なさそうにため息をひとつついた。


 また敏とおとめが何かやらかしたのだと……


小太郎(小菊)は女性の時はめちゃくちゃ美人(の設定)です。永倉が焦るのもわかる。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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