容保公と敏姫様
久しぶりの容保様と敏姫です。
敏姫様は相変わらず元気です。
黒谷・小座敷にてーー
六畳ほどの小さな部屋。
床の間には季節の掛け軸。
庭には椿が咲いている。
容保公は上座にいるが、
奉行所のような堅苦しさはない。
「沖田、秋月、此度は大儀であったな」
沖田と篝は互いに顔を見合わせた。大儀?大儀って言った?
「ゴホン、いや今のは……私自身は大儀だと思っているということだ……屯所の人間とはいえ、今は一般人の小太郎を助け、京都を脅かす勢力を未然に防いだのだから……あのままにしておけば、霧島の勢力はさらに拡大していたはずだ」
「へぇ〜そうなんですね!じゃあ私たち、知らない間に功績を残したってこと?やったな馬鹿犬!」
そう言って沖田の肩を小突く篝。
「山猫!!場所をわきまえてくださいよ。僕たちの主君の前ですよ!」
「ふふふ……お二人は相変わらず仲が良いんですね」
これまた呑気にお茶を淹れながら容保公の隣の敏姫が微笑む。
「うむ……しかし、同じく一般人の虎之助を危険にさらしたのは事実だから……」
「でも殿!沖田さんと篝さんは小太郎さんを助けましたわ!しかも台所係。一番重要な係です」
突然敏姫が容保公に突っかかる。いや、突っかかるというより膝に乗る?
「うん、それは私もわかっているんだが。形だけでも……」
「形だけでも?」
「その……罰的なやつをだな……」
ははは、と容保公が手を後ろにやって困ったように笑う。
「まぁ!殿はお厳しいですわ!」
ポカポカと敏姫は容保公の胸を叩く。
沖田と篝は目の前で繰り広げられる夫婦喧嘩?を前にポカンとしていた。
「なぁ馬鹿犬、このお二人はいつもこんな感じなのか?」
「そうです……誰かが止めないと延々と見る羽目になります」
このお二人にはずっとこうしていて欲しいな。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




