誘拐騒動その後
騒動後、ある日の川辺にて。小太郎と篝は話し合っていた。
とある川辺にてーー
篝と小太郎はゴザを敷いて座っていた。
「……て言うわけで、俺は一切の責任は負わなくていいことになったんだ」
「へぇ〜、それであの壬生狼……じゃない、永倉はどうなったんだ」
「……今回は、兄さん単独で動いたし、一般人(虎之助)を危険にさらしたことで当分の間、蟄居を命じられました……」
「そっか……」
小太郎は作った握り飯を竹かごに詰めて持ってきていた。
「小太郎、こんなこと言いたくねぇけど……あの時、お前が永倉に運ばれている時、まじで心配した。お前が死ぬんじゃないかと……」
篝は小太郎が用意した握り飯を食い、茶を飲む。
小太郎が用意した握り飯は篝がほぼ食っていて籠の中の握り飯はもう半分しか残っていなかった。
「でもあの時の永倉の表情を見て……思っちまったんだ。『あ、こいつに小太郎を任せとけばなんとかなる』って……」
それを聞いて、小太郎は顔を挙げた。
「……篝、兄さんどんな顔してた?」
「すげえ怖い顔だった」
「ふふふ、珍しいね。篝がそんなこと言うなんて」
(そっか……兄さん、そんな顔して助けてくれたんだ)
不謹慎だとはわかっているが、小太郎の頬が若干緩む。
「虎之助さんに聞いたんだけど、篝も助けに来てくれたんだね。ありがとう」
篝は小太郎の作ったたくあんを食べながら言う。
「あ?そんなの当たり前だろ?私の命は小太郎に助けられたようなもんなんだ。恩返しができてよかったよ、それにたくさん人が斬れたしな」
「ここにいたんですか山猫」
音もなく、気配もなくその男ーー沖田は篝の背後に立っていた。
「沖田さん……」
(そういえば沖田さんも助けに来てくれたんだった)
「沖田さんも、ありがとうございます」
小太郎はゴザの上で姿勢を正し、礼をする。
「……いいですよ礼なんて。それにたくさん人が斬れたし。僕にとってもよかった」
「沖田さんはお咎めなしだったんですか?」
「……ありましたよ。近藤先生の拳骨です」
小太郎のその言葉を聞いて篝は吹き出した。
「はっはっは!ザマァねえな!」
「山猫あなたもですよ。これから容保公のお達しがあるはずです」
「えっ」
「え……」
篝の最後の握り飯を掴んだ手が止まり、小太郎は困惑した。
近藤先生の拳骨(笑)近藤先生には素直な沖田が好きです。
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