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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第二十二章・小太郎と永倉と……

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小太郎と小菊の居場所

永倉の言葉を聞いた小太郎は、それまで張り詰めていた思いが一気にあふれ出る。

「お、俺……ここに居てもいいんですか?」


「……居て欲しい。いや、居てくれないと俺が困る」


 小太郎はその言葉を聞いて、次々と涙を流した。


「……兄さん!ああ……」


 小太郎の小さな手が、永倉の大きな背中に回された。


 俺の……居場所。

 俺の……兄さん。

 俺はここに、屯所に居ていいんだ。


「兄さんッ!兄さん……俺……怖かった!本当はずっと……あのまま一人で、死んでしまうんじゃないかと思った!」


「……そんなことさせねぇよ」


 小太郎がどこに居ても、俺が必ず見つけ出して助けてやる。


 抱きしめる力を強くする。

 細くて小さくて柔らかくて折れてしまいそうだ。


 小太郎はこんな……


(普通の女子(おなご)なのに……)


「にいさん、ぅぅう……」


 永倉は泣き続ける小太郎の背中をずっと摩り続けた。


「怖かったよな、助けるのが遅くなってごめん……」


「う、ぅぅん……助けに来てくれへ、ありがとう……」


 そう言って小太郎は永倉の胸にしがみついた。


(本当はずっとここに居たいと、兄さんのそばに居たいと思っていた)


 永倉は何も言わず、小太郎の頭を撫で、腕の中の小太郎を確かめた。


 小太郎は確かにここにいる。


 永倉の腕の中に。


「……」


 小太郎の体がまだ本調子でないのがわかったのか、永倉は小太郎の体をさすり、自分の羽織りを小太郎へ掛けた。


「……帰るぞ、小菊」


「……はい……」


 永倉と小菊の手は、しっかりと握られていた。


 互いが互いに、もう二度と離れないとでも言うかのように……


小太郎頑張ったね。よかった……


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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