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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第二十二章・小太郎と永倉と……

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狂った男・霧島藤吾

小勢を沖田と篝に任せて永倉は単身、敵のアジトに足を踏み入れた。

 廃寺の本堂にて。


 敵は意外にも堂々と永倉の到着を待っていた。


「いや〜、意外にも早かったですねぇ。そんなにあの子リスちゃんが大切でしたか?」


 割れた酒瓶、ほったらかしになった蜘蛛の巣。手入れの行き届いていない苔むしたご本尊。


 ほとんど本堂としての機能を果たしていない、倒壊寸前の本堂の木漏れ日が、その人物を怪しく照らす。


 ーー霧島藤吾。


 全体的に色素が薄く、目が弱いのかグラスをかけている。

 

 軽薄な唇は何を考えているのかわからないが、口角が怪しげに歪んでいた。


 何よりも目を引いたのはその特徴的な白髪だった。


「永倉くん、君には大変お世話になったよ。仲間を次々と殺してくれて」


「……霧島藤吾……」


「おや、名前を覚えてくれてたのかい?嬉しいねぇ」


「……お前の仲間を殺したのは俺だ。小太郎を巻き込むな」


 その瞬間、霧島の空気が冷たいものに変わる。


「……永倉くん。君は私の仲間を何人殺したっけ?」


「……覚えてねぇ」


「覚えてねえ!?はーッハッハッハッハ!!ハハハハハハハハハ!!!!」


 永倉の言葉を聞き、霧島は狂ったように笑う。


「……覚えてないか、じゃああの子リス一人がどうなろうが関係ないだろうが!!」


「なぁ」


 それまで霧島の言葉を我慢して聞いていた永倉の目が殺気を帯びる。


「……ごちゃごちゃ言ってねぇで小太郎を返してくれや……」


 霧島は初めて目の当たりにする永倉の本気の殺気に全身が総毛立つのを感じた。


「…………いいねぇ、いいねぇ!!もっともっと怒って!もっと絶望してくれよ!!」


「うるせえ」


 その声は低かった。


 怒鳴り声でもない。

 激昂でもない。


 だがその静かな声に、霧島は本能的な恐怖を覚えた。


次回バトルシーン、苦手だけど頑張ります。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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