表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第二十二章・小太郎と永倉と……

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

216/319

捨てられた桔梗の菓子

小太郎が攫われた翌日ーー起きてきた永倉はすぐに異常を察する。

「ふぁぁ〜昨日は飲みすぎた。小太郎、来れなくてごめんなぁ」


 まだ誰もが寝ている早朝。何も知らない永倉が、いの一番に台所に入る。


 その瞬間ーー


 永倉はいつもと何か様子が違うのを一瞬で感じた。


 いつもはとっくに用意されているはずの朝餉が、用意されていない。

 

 丁寧に片付けられているはずの台所が、今日はまな板がでっぱなし。包丁も出しっぱなし。

 

 隊士たちがやったのなら納得はいくが、今の台所係は小太郎だ。


 小太郎がこんなに何もかもをほったらかしにするなんて……


「……ッ!!」


 その時、永倉は見つけた。


 桔梗の菓子が、台所の床に叩きつけられているのを。


 小太郎はいつも隊士たちが寝静まった頃に、こうして花の菓子を作る。

 

 そして昨夜も、同じようにして……


 永倉は無残に捨てられた桔梗の菓子を拾い上げる。その手は知らずのうちに震えていた。


 永倉はすぐに気付く。


 ーー小太郎の身に、何かがあったのだと。


「永倉さん、永倉さん!」


 その時、焦ったような声が聞こえてきた。虎之助だ。


「お耳に入れたい事が……実は昨夜屯所から帰ろうとしていた時にーー」


 * * *


 虎之助の案内で来たのは山奥にある廃寺だった。


 虎之助の兄、黒崎豹魔が潜伏しているという廃寺よりももっと不気味で、暗かった。


「永倉さんすみません。俺バレるのが怖くて……あとをつけるのが精一杯で」


「いや、お前はよくやったよ。俺一人だったら敵のアジトもわからなかった」


 そう言う永倉の言葉は優しかったが、焦りも感じられた。


虎之助は物心ついた時から兄の殺気を浴びて育ってきたので永倉にあんな殺気を向けられたのに平然としてます。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ