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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第十九章・壬生の台所係

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仕事が早い小太郎

風呂である程度綺麗にしてもらった篝は、上機嫌だった。

 壬生屯所・台所にてーー


「いやー、スッキリスッキリ!小太郎ありがとな!湯を沸かしといてくれて」


 着流しに着替えた篝が上機嫌で立っていた。


「……あの湯はお前のために沸かしといたんじゃないよ。組長のために沸かしといたの!お前が入ったせいでまた一から沸かさないといけねぇ」


 小太郎は菓子を作りながらブツクサ呟く。

 

 その様子を見て篝が驚いて台所を見渡す。


「えっ?お前メシの支度は?」


「とっくにできてるよ。あとはそこの釜の飯が炊けたら終了だ」


「相変わらず仕事が早えなお前は……」


「……お前の分も取ってあるから、持っていくといいよ。庵で食べな。俺はこれから湯の入れ替えに行く」


 そう言って小太郎が指した先には、風呂敷で丁寧に梱包された弁当。大喰らいの篝のためにか、弁当は大きめだ。


「わぉ〜ん!!小太郎ありがとうありがとう!!」


 篝は狼みたいな咆哮をあげると、小太郎の手を取りぴょんぴょんと飛んで礼を言う。


「……今はお前のほうが壬生狼みたいだって。まぁいいや。気を付けて帰れよ」


 小太郎は仕方なさそうに眉根を下げ、篝の肩をポンと叩いた。


 * * *


 沖田はどうしたかというと、篝の裸が少し刺激が強すぎたのか倒れてそのままだったので、小太郎が隊士たちに頼んで土方の書院に運んでもらっていた。


「仮にも新撰組の組長が情けねぇ!」


 土方はそう文句を言いながら、うちわで仕方無さそうに真っ赤になった沖田を仰いでいたという……


この物語では組長クラスにはそれぞれの部屋があるのですが、沖田の部屋は風呂から遠い場所にあるので土方の部屋が選ばれました(笑)


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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