まさに野生の獣!
沖田と篝を見て、小太郎はあることを思いつくが……
これだ!!
「それでは今から『猪の肉をうまく捌いた方が勝ちゲーム』を開催する!」
大きな木のまな板の上には、丸々と太った猪ーーが二人分並んでいた。
俺の考えはこうだ。沖田さんと篝を競争させる。
我ながら何を言ってるのかわからないけど、この二人には『争うこと』が一番相性がいいはずだ。
「へぇ……山猫が同じ獣を捌くことなんかできるんですかねぇ?」
「はっ、こんなモン朝メシ前だ。いつも倒してそのまま引きちぎって食ってるからな!!」
……ほら、俺の読み通り。二人は競わせるのが一番いい。
実はあの猪は俺が今朝仕留めた物だ。俺は剣の腕はイマイチだが、弓の腕には自信がある。
猪の捌きは二人に任せ、俺は続きに取り掛かる。
さっさと料理を終わらせて、夜八つ(22時頃)には菓子作りをして……
と、俺が野菜を洗い、切り、忙しなく動いていると……
「テメェ!!わざと血ィぶっかけやがったな!」
「……いえ、そんなことしていません。山猫が荒っぽいから太い血管を切ったんじゃないですか?」
うわうわうわ。ちょっと目を離した隙に篝がすごいことになっていた。篝の衣服は猪の血に塗れ、片手には猪の肉片。
まさに野生の獣!
「ちょっ、ちょっと!篝!やはりあんたには台所仕事なんて早かったみたいだ」
俺は慌てて篝の血まみれの衣服を布で拭く。
猪の血があっという間に布に染みていく。
「小太郎さん、あとはこの猪をこの鍋に放り込んでればいいんですか?」
「そうそう!って待って篝!その格好のままうろつくなって!今はお前の方が壬生狼っぽいぞ!」
「久しぶりに食ったけどやっぱうまいなあ!!」
沖田さんと残りの仕事を残して、俺はひとまず台所を後にした。
さすが野生の獣。
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