めんどくさい二人
小太郎は日が西に傾きかけているのを見て焦り、台所に篝を連れて行くことにしたが……
俺は篝に馬鹿犬呼ばわりされている沖田さんに篝との出会いからを説明した。
「……じゃあ篝の隠れ家も知ってるんですか?」
「いやさすがにそこまでは知らないよ」
俺がそう言うと、沖田さんはいくらかホッとした様子だった。
?なんだこの人……
「そうだ!今から台所で料理するんだよ。組長クラスから隊士達の分まで全部!」
俺は日が西に少し傾き始めたのを見て焦った。
「今から?まだ八つ(午後三時くらい)だぜ?」
「もう八つだ!篝もついてこいよ。じゃがいもの切り方くらいは教えてやるから」
「えっ!?私は自慢じゃないが料理の類いは全然ダメだぞ!」
そう言って俺が篝の手を取ると、沖田さんの眉根がピクリと動く。さっきからなんなんだこの人は。そんなに篝が気になるのかな?
「だからだよ!行くぞ。沖田さんも気になるなら来て!」
「誰がこんな山猫のことを気にするってんですか!」
俺の言葉に即座にそう返す沖田さん。
もーめんどくさいなぁ。
「私だって馬鹿犬になんか見てもらいたくないね!!」
ギャーギャー言い合う二人をほっぽって、俺は篝の首根っこを引きずって屯所へと足を運んだ。
「さて、まず篝には野菜を洗ってもらおうかな。包丁は刀と間違えて研ぎそうだし」
俺は篝に一番無害で安全そうな仕事を頼んだ。
だけど一筋縄では行かないのが山育ちの獣ーー
「こ、この野菜!食ってもいいのか!?全部うまそうだぞ!」
「良いわけないだろ。洗うの!ほら、たわし!」
たわしを渡したというのに、篝は野生児のように土ごと野菜を食べようとする。
「違うってば!食べないの、もう野菜は良い」
何かできることはないかと探していたら、こちらをじっと見ている沖田さんと目が合った。
これだ!!
篝は野生児です。
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