表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第十八章 獣は所詮獣

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

182/230

獣騒動その後・庵にて確認

虎之助の意外な答えで豹魔どころじゃなくなった「適当組」は一旦解散するが、沖田はあることを確認しに篝の庵を訪れる。

 山奥の岩山の紫の菊に囲まれた質素な庵ーーそれが秋月篝の住まいだった。


 その庵に、今日も沖田は来ていた。


 ーー殺し合いをするために。


 だが今日の沖田はいつもと様子が違った。


「なんだ、馬鹿犬か。また懲りずに負けに来たのか?」


 篝が使い古した草鞋を履いて編み上げながら言った。


「…………それもありますけど……」


「ん?」


【獣の、胸が柔らかかった事と、あと意外にもいい匂いがしました……//】


「……山猫って柔らかいの?」


「は?」


「虎之助が言ってました。獣のくせに柔らかくていい匂いがすると……」


「???いい匂い?どちらかというと獣臭ェはずだけど?」


 そう言うと篝は自分の匂いをクンクンと嗅ぎ始めた。


「は、自分じゃ自分の匂いってわからねぇや!私は山育ちが長かったからどっちかというと目と鼻は効く方なんだけどな」


 篝は諦めたように大の字で横になる。


「……僕に確かめさせてください」


「ん?」


「山猫が本当にいい匂いがするかどうか」


 沖田と篝の間に少しの間沈黙が流れた。ここに永倉やおとめがいたら間違いなく「いやなんでそうなるんだよ!!」とツッコミが入っていたはずだ。


「??馬鹿犬はそんなに私の匂いが気になるのか?いいぜ。ただし妙なことをしてみろ。有無を言わせず斬り伏せるぞ」


 篝はそう言って大の字に寝たまま頭の上で手を組んだ。


(この女……正気か……?)


 沖田は完全に油断している篝の横に座り、その髪の匂い、首から鎖骨にかけてをクンクンと嗅ぎ始めた。


 なんだこいつら……と永倉の声が聞こえてきそうなので一応ツッコミをいれておこう。


「…………」


「どうだ?馬鹿犬」


「変だな……無臭だ。なんの匂いもしない。ただ、ほんのり温泉みたいな水のにおいがする」


 沖田のその言葉を聞いて篝が起き上がる。


「わかるか!さすが犬だな!そう、私はこれでも温泉に浸かっているんだ。気持ちいいからなぁ」


「まだです」


 沖田はそう言うと、起き上がろうとする篝を制した。

何やってんだこいつら……というおとめさんのツッコミも聞こえてきそうですね。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ