獣と人間の狭間で。
場所は変わってここは虎之助の兄、黒崎豹魔が潜伏していると噂の廃寺にて。
※あの後一日寝たら篝はピンピンしてました。by沖田
黒崎豹魔が潜伏していると思われる廃寺にてーー
「壬生詮議組」または「適当組」のメンバーが召集された。
まずは俺、永倉新八。
この組の言い出しっぺの斉藤は「おときをならず者の奴らに見せるわけにはいかん」とかいう謎の理由で今回は欠席。
てかおときさんは黒谷にいればいいんじゃないのか?
あとは豹魔の弟の虎之助と、総司と、何故か篝。
「お前は何故来たんだ?」
「用心棒だ。お前ら『壬生狼』と、そこのチビトラの」
俺が聞くと、篝がふざけて言う。
チビトラ?虎之助の事か?
ふと虎之助の方を見ると、何かに耐えるように震えていた。
「……やはり獣は獣。人の気持ちなんて考えない。あなたも兄と同じ獣だ」
虎之助の声が低く、冷たく響く。
その言葉を受けて、篝は仕方無さそうに肩をすくめた。
「……そうかもな。私は山育ちが長かったから、人間の気持ちはわからねぇ……」
「……いや、そう決めつけるのは早いです」
総司が篝の言葉に被せるように口を開く。
「篝は剣豪のくせに僕に背後を預け、髪の毛を梳かせました。野生の獣は、そんな事はしません。後ろに立ったら最後、問答無用で襲うはずです」
「へぇ!意外だな!お前らそんな事し合ってるのか?」
俺がそう言うと、篝がこちらをキッと睨む。
「…………」
篝はやがて、その艶々した黒髪をひと撫でする。
「……本当は……私は、自分が何者か知りたくてここに来たんだ……果たして私は獣なのか、人なのか」
こんな事、以前の私なら思いもしなかった。
でもあのチビが……
黒谷の連中が。
あんまりにも純粋に私の懐に入り込むから。
『かがりお姉様!』
『どうしてもかがりお姉様と仲良くなりたかったんです!』
まだこの気持ちが何なのかはよくわからない。
でもーー
私の前をチョロチョロして、私の後ろに隠れて、私を頼るあのチビの。
「力になりたいと思ってる……」
「いや立派な事じゃねえか!なかなか自分から自分を知りたいなんておもわねぇぜ。なぁ総司!お前は剣と戦う事しか頭にねぇもんな!」
「永倉さんは酒、酒、酒ですけどね」
「はっはっは!ちげえねぇ!」
篝も自分は獣なのか人なのかわからなくて葛藤しているようです。
虎之助はずっと篝を敵視してるみたいだけど……
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