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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第十八章 獣は所詮獣

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山猫、初めての動揺

篝は斉藤がおときの頭を撫でているのを見て、色々と考えて混乱してしまった。

そんな中、適当組は花札をやっていた。

「なぁ、あれはどうなんだ?斉藤がチビの頭を撫でてる」


 馬鹿犬がチラッと二人に目を遣る。


「……まぁ、あれも特別な人にしかしないでしょう。お互いに想いあっていないとできない行為です」


 という事は馬鹿犬が私の髪を梳く事も?


 * * *


「わ、私は馬鹿犬の事を特別だと思ったことはないぞ!!//」


「いきなりどうしたんですか」


 馬鹿犬がふざけたことを言うから……私は思わず髪を手で掴んだ。

 そういえば今日も、馬鹿犬が私の髪をまとめてくれた。


 馬鹿犬にとって特別なのか?私は……?


「よっしゃぁ!五光だ!はっはっは。運がいいねぇ!」


「俺はダメだ〜カスばっかりだ〜」


 その場にバタンと永倉が大の字になる。


「俺もカスですね。とめは強いな……酒も花札も」


「そう思うならもっと酒を持って来な!」


 おとめさん達が花札で盛り上がっている。

 

 私は動揺を隠したくて茶に手を伸ばした。


「あっ、それは……」


 虎之助が慌てて止める。なんと篝が手にしたのは茶ではなく酒。しかも容保様から斉藤への贈り物で、上等のものだった。


 斉藤は土方に言われた御所周辺の警備を、本当にクソ真面目に一人でやっていたのでその御礼だそうで。


 虎之助が止めようとした時にはもう遅かった。


 茶だと思って一気に飲んだものだから、篝はその場にぶっ倒れたのである。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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