山猫、初めての動揺
篝は斉藤がおときの頭を撫でているのを見て、色々と考えて混乱してしまった。
そんな中、適当組は花札をやっていた。
「なぁ、あれはどうなんだ?斉藤がチビの頭を撫でてる」
馬鹿犬がチラッと二人に目を遣る。
「……まぁ、あれも特別な人にしかしないでしょう。お互いに想いあっていないとできない行為です」
という事は馬鹿犬が私の髪を梳く事も?
* * *
「わ、私は馬鹿犬の事を特別だと思ったことはないぞ!!//」
「いきなりどうしたんですか」
馬鹿犬がふざけたことを言うから……私は思わず髪を手で掴んだ。
そういえば今日も、馬鹿犬が私の髪をまとめてくれた。
馬鹿犬にとって特別なのか?私は……?
「よっしゃぁ!五光だ!はっはっは。運がいいねぇ!」
「俺はダメだ〜カスばっかりだ〜」
その場にバタンと永倉が大の字になる。
「俺もカスですね。とめは強いな……酒も花札も」
「そう思うならもっと酒を持って来な!」
おとめさん達が花札で盛り上がっている。
私は動揺を隠したくて茶に手を伸ばした。
「あっ、それは……」
虎之助が慌てて止める。なんと篝が手にしたのは茶ではなく酒。しかも容保様から斉藤への贈り物で、上等のものだった。
斉藤は土方に言われた御所周辺の警備を、本当にクソ真面目に一人でやっていたのでその御礼だそうで。
虎之助が止めようとした時にはもう遅かった。
茶だと思って一気に飲んだものだから、篝はその場にぶっ倒れたのである。
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