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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第十八章 獣は所詮獣

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篝にとっての特別

おときが虎之助の荷車に乗り込んできて、めんどくさくなったとめは花札をし始めた。

何が起こってるかわからない篝は混乱していたが……

 いつのまにかおとめさんと永倉はチビをほっぽって花札をやり始めた。


「そうだ!虎之助もやろう!」


「ははは、とめは相変わらず強引だな」


 えっ……このチビはほっといていいのか?斉藤に酷いことをされてるんじゃないのか?


 と思ったらチビは斉藤の膝に座って今日の課題?を提出していた。


 斉藤はそれを褒め、チビに花みたいな菓子を渡していた。


 ……どういうことだ?斉藤はチビに酷いことはしてないのか?


「山猫。まぁこっちで茶でも飲みながら話しましょうよ」


 馬鹿犬が私を呼ぶ。なんで私が馬鹿犬と茶なんか飲まないといけないんだ?


「まずは座ってください。順を追って話しますから」


 * * *


 馬鹿犬は前に街に出た時にあのチビが盗人に襲われそうになったこと、屯所の井戸騒ぎ、大部屋にチビが忍び込んでいた事件などがあって、護衛をつけても安心できないことなどを教えてくれた。


「ーーというわけで、斉藤さんはおときさんの事になると異常に過保護になるんですよ」


「……知らなかった。あいつらほんとにただの師弟だったんだな」


 それにしても女一人のためにいちいちピリつきやがって。


 壬生狼は女一人も守れない腰抜けばっかかよ。


「……山猫。それはちょっと違いますよ。斉藤さんはおときさんの事が特別大事なだけです」


「特別?何言ってんだ。女子(おなご)に特別もへったくれもないだろ」


「……それがあるんです。あの人の場合は」


「全然感じねぇけどなぁ」


 私はもう一度チビと斉藤の様子を見た。ただの仲良し師弟のじゃれ合いにしか見えねぇ……


「……菓子をあげる事が特別なのか?それとも褒める事が特別なのか?」


 そうじゃなくて……と馬鹿犬がめんどくさそうに首の後ろをかいている。


 ふと斉藤とチビの方を見ると、斉藤がチビの頭を撫でている?

「なぁ、あれはどうなんだ?斉藤がチビの頭を撫でてる」


 馬鹿犬がチラッと二人に目を遣る。


「……まぁ、あれも特別な人にしかしないでしょう。お互いに想いあっていないとできない行為です」


 という事は馬鹿犬が私の髪を梳く事も?


「わ、私は馬鹿犬の事を特別だと思ったことはないぞ!!//」


さらに混乱する篝。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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