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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第十八章 獣は所詮獣

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斉藤はおときが絡むとポンコツ

おときの安全確保のために適当組は集まっていた。

皆色々な意見を出す中肝心の斉藤はというと……

「それならお前も来て一緒に読み書き教えればいいじゃないか」


 篝の提案に、総司は驚いた。


「なるほど……そういうのもあるか……」


「お前ら落ち着けよ。今『おときさんは黒谷で過ごすのが一番いい』で決まったんだから。篝、提案は良かったが篝の家は山奥にあるらしいからおときさん一人が向かうには危なっかしい」


 篝は俺の方をひと睨みした。だがーー


「確かにあのチビには荷が重そうだ……」


 山奥に向かうおときさんの姿を想像したのか、篝はそれ以上言葉を発さなくなった。

 

 総司は何故かまだブツブツ言っているが。


 で、問題は。


「はじめ〜、これでいいか?おときさんはこれから黒谷で学ぶって」


「…………」


 はじめは何も答えない。てかなんで殺気漏れてんのコイツ。


 おときさんが絡むとはじめはポンコツになる。いつも抑えているはずの殺気もダダ漏れになる。


「……俺は納得いかない。まだやりかけの課題があるし、おときの文字の癖を知っているのも俺だ。それに彼奴(あやつ)は算術が苦手だ」


 その場にいる全員のクソデカため息が聞こえた気がした。 


「はぁ〜、はじめしっかりしてくれよ。どうして他のことは冷静なのにおときさんの事となると途端に必死になるんだ?」


「永倉、野暮な事は聞くんじゃないよ」


 おとめさんがため息を吐く。


「とにかくおときは黒谷で学ばせます。いいね斉藤?」


 おとめさんがそう言った瞬間、はじめが鬼の形相になり、手がぶるぶると震えだした。


「……俺は反対だ。おときは文字に癖があるし、おときが間違えそうな所は俺にしかわからん……」


 話が進まねぇ〜!!


「…………ずっと不思議だったんだけどさ、なんで壬生狼はそんなにあのチビを気にするんだ?読み書きを教えるなら場所は黒谷の方がいいに決まってる」


「篝、それは斉藤さんにもわかっていると思いますよ」


 総司の言葉を受け、篝はますますわからないというように首を捻る。


「はじめ!もうお前は発言禁止な!会いたくなったら黒谷に行きゃいいじゃないか」


「……何故だ。いつものように俺の書院に通えばいいじゃないか……」


 だからァァァァ!!


 もう俺も暴れようかなと思ってきたその瞬間ーー


「こんちは〜っす。虎屋の虎之助です!」


 酒売りの虎之助の声が聞こえた。


斉藤さん面白すぎる。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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