壬生詮議組改め適当組
刀屋での事件がひと段落したあと、再び『壬生詮議組』が召集された。
後日 壬生屯所・斉藤の書院にてーー
俺は永倉。新撰組では一応二番隊組長をやらせてもらってるんだけど。
新撰組そのものを動かすほどでもないちょっとした事件?みたいなことを解決するための『壬生詮議組』が召集された。
『壬生詮議組』ははじめがつけた名前だが、俺は『適当組』かなんかで良いと思ってる。
メンバーはそん時そん時の暇人が集まればいいかという感じで。
今回の議題はというとーー
「おときさんの安全確保について」だ。
なかなか揃わない『壬生詮議組』も、今日は珍しく揃ってる。
何故か女剣士・秋月篝もしれっと紛れ込んでいる。
まぁいいけどな。
おときさんは何故かこの女剣士・篝に憧れを抱いているようだし、全く関係のない話ではない。
「これについて総司が言いたいことがあるそうだな?」
「はい、道場から出た時に隊士たちがおときさんの方を見て何やらコソコソ話をしていました。耳が良い僕にも聞こえないくらい小声で内容までは分かりませんが……おそらく碌なことじゃないです」
「『おときを見て小声で話す隊士たちを見た。聞こえなかったがおそらく碌なことじゃない。』と……」
おとめさんが覚え帳にサッとメモを取る。
おとめさんは本当優秀だよな。近藤局長が惚れるのもわかる。
「まぁあの子は昔から危なっかしい子だったからねぇ。いくら斉藤がいるっつっても、男所帯の屯所に出入りしてて今まで何もなかったのが奇跡だったんだよ」
おとめさんは覚え帳に書きながら言う。
「私はこれについて、おときは黒谷にいて、読み書きも黒谷で教えるって意見だ。おときは敏姫様に憧れているから、読み書きも敏姫様に教えてもらおう」
「俺もそれがいい。総司もそうだろ?」
総司の方を見ると、軽く頷いていた。
「これでおときの安全確保のための策は、『黒谷にいること』が永倉と沖田と私の三人の意見かな」
「私に提案がある」
篝が手を挙げた。
「私の家は山に囲まれていて都より安全だ。そこで読み書きを教えてはどうだろう?何かあれば私がいるし」
それに対しすぐ反応をしたのが総司だ。
「はぁ??山猫に読み書きなんか無理ですよね?この前のおときさんからの文だって僕が通訳してやっと読めたんですから」
「んだとぉ!?」
「なんですか!?」
総司は篝の家を他の誰かに知られたくないんだろうな。たとえそれがおときさんであっても。
何故かは知らねぇが。
沖田は篝の隠れ家を知られたくなくて必死ですが、本人は無意識です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




