誰が誰と仲良しだって!?
結局永倉の一言で沖田は買い物について来ていた。
おとめは嫌な予感がしながらも、お店に入っていくのだった。
「…………」
「…………」
結局永倉の一言でどこからか沖田が来ちまって。
今は街で篝に似合いそうな髪紐を選んでるんだけどーー
「山猫にはこの髪紐が似合うんじゃないですか?」
そう言って沖田が選んだのは色気も何もないただの麻の縄。いやいやそれじゃ今までと変わらないじゃないか!
絶対わざとやってるわコイツ……
てかなんで普通に店に入ってきてんの??
「……さすが馬鹿犬。選ぶもんも犬っぽい色だ」
「ああ?!わざとに決まってるでしょう?そんなのもわからないんですか。山猫は!」
「そこで見てな馬鹿犬!おとめさんにちゃんとしたのを選んでもらうんだからな!」
ーーこの二人は店に入るなりずっとこの調子……はぁ、どうしようかねえ?
私は店主にいくらか篝に似合いそうな髪紐を見繕ってもらった。
その間にーー
「篝。こっちに来な。髪をすいてやるから。せっかく綺麗な黒髪なのにもったいないよ」
「……あ、はい。すみませんおとめさん」
そう言って私は近藤さんにもらった櫛で篝の髪をすく。この櫛大活躍だな。篝の髪は素直で櫛を通すたびに艶々になっていく。
心地よいのか、篝は私にされるがままになっていた。
「篝、もしかして人に髪をすいてもらうのは初めてかい?」
「あ、はい……すみません。思ったより気持ちよくて、おとめさんに髪をすいてもらうと眠くなります//」
それを聞いて沖田が馬鹿にしたように吹き出す。
「それでいつも大股広げて寝てるんですね。あの日もひどかったですよ」
「なんだと……?」
沖田がせっかくおとなしくなった篝をわざと刺激する。頼むから店で騒ぎを起こさないでくれ〜!!
「ほら!篝。まだ終わってないから!」
「…………」
私の言葉に渋々といった感じで従う篝。
黒谷の面々に対しては礼儀正しいのに、何故新撰組のメンバーにはこんなに当たりがキツいんだろう。
特に沖田には。
「……あんたたち、仲が良いのは結構だけど店の中で騒ぐんじゃないよ。みっともない」
「誰が誰と仲良いんですか?」
「誰が誰と仲良いんですか?」
二人とも同時に同じことを聞いてきた。私は思わず吹き出しそうになった。
(そういうところだよ!)
「お待たせしました。お客さんはかなり長い黒髪ですし、お顔立ちもはっきりしておりますので、このような色が映えるかと……」
店主が見繕ってきたのは、薄い藤色、銀糸入りの黒、濃い藍色に、品のある濃い紫。
「わぁ……」
篝が息を呑む声が聞こえた。おそらくこんな雅な色は見たことないんだろうな。
果たして篝はどんな髪紐を選ぶのでしょうか。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




