人に懐かない山猫
かがりとおとめが楽しく飲んでいると、そこへ沖田が来て篝に喧嘩を売る。
* * *
「……そろそろ帰ります。おとめさん、色々すみませんでした」
「いやいや、いいよ。ところでかがり、もっと黒谷に来な。色々と教えてやるから。まずはその山猫みたいな着物の新調と、あと髪紐も新調しなくちゃね」
その優しい言葉に、思わず私はぺこりと頭を下げる。
【色々と教えてやるから】
今までそんなこと言ってくれる人なんかいなかった。
どうしよう……こんな気持ちは初めてだ。
くすぐったいような。
私がわけもわからない感情に震えていると、沖田が寄ってきた。
「……またやりましょうよ。今度は誰も邪魔が入らないところでさ」
そう言って沖田は腰にさしてある真剣を揺らす。
「……いや、遠慮する。お前が死んだらおとめさんが悲しむ」
「……なんですかそれ。剣士らしくない答えですね」
確かにらしくない。
私はしばらく考えて、そこらにあった紙に地図を描いて沖田に渡した。
「……どうしてもやり合いたいってんならその場所に来な。遊んでやるよ馬鹿犬」
「……そう来なくちゃ。山猫さん?」
「誰が山猫だ!!馬鹿犬!」
「ずっと山に住んで人に懐かないから山猫なんですよ!ピッタリじゃないですか!」
二人の「馬鹿犬」「山猫」のアホなやりとりは、夜がふけるまで続いたというーー
この二人は目が合うと喧嘩するタイプですね。
斉藤とおときの無自覚両片思いの関係も好きだけど、沖田も篝も可愛いくて好きです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




