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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第十四章 山から降りた山猫

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人に懐かない山猫

かがりとおとめが楽しく飲んでいると、そこへ沖田が来て篝に喧嘩を売る。

 * * *


「……そろそろ帰ります。おとめさん、色々すみませんでした」


「いやいや、いいよ。ところでかがり、もっと黒谷に来な。色々と教えてやるから。まずはその山猫みたいな着物の新調と、あと髪紐も新調しなくちゃね」


 その優しい言葉に、思わず私はぺこりと頭を下げる。


【色々と教えてやるから】


 今までそんなこと言ってくれる人なんかいなかった。


 どうしよう……こんな気持ちは初めてだ。

 

 くすぐったいような。


 私がわけもわからない感情に震えていると、沖田が寄ってきた。


「……またやりましょうよ。今度は誰も邪魔が入らないところでさ」


 そう言って沖田は腰にさしてある真剣を揺らす。


「……いや、遠慮する。お前が死んだらおとめさんが悲しむ」


「……なんですかそれ。剣士らしくない答えですね」


 確かにらしくない。


 私はしばらく考えて、そこらにあった紙に地図を描いて沖田に渡した。


「……どうしてもやり合いたいってんならその場所に来な。遊んでやるよ馬鹿犬」


「……そう来なくちゃ。山猫さん?」


「誰が山猫だ!!馬鹿犬!」


「ずっと山に住んで人に懐かないから山猫なんですよ!ピッタリじゃないですか!」


 二人の「馬鹿犬」「山猫」のアホなやりとりは、夜がふけるまで続いたというーー


この二人は目が合うと喧嘩するタイプですね。

斉藤とおときの無自覚両片思いの関係も好きだけど、沖田も篝も可愛いくて好きです。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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