誰とでも仲良くなれる人
篝は宴会が苦手で固まってしまっていた。
と、そこへ……
「かがりィ!飲んでる?」
突然私の隣にやけに人好きのする女が座ってきた。
恐らく酒もおそろしく強いのだろう。
何人かこの女に飲み比べを挑んで潰れた男たちをここでずっと見ていた。
最後まで残っていた『壬生狼』の永倉も、結局は大の字になって大いびきをかいてしまった。
この人は、なんか苦手じゃないかも……
「ええ、私はこのような場は初めてで……つまらない奴でごめんなさい」
「いいんだよ!あんたがしなくても、誰かが盛り上げるさ。それに騒ぐのはいつも面子が決まってんだ」
ふふっ、と笑ってこちらを見る。その笑顔には一切の邪念がない。
「……失礼。お名前は?」
「おとめってんだ。みんなからはとめか、姐さんって呼ばれてるよ」
「おとめさん……」
「かがりは新撰組の奴らを『壬生狼』って呼んでたね。なんでだい?」
おとめさんは変なことを聞いてきた。壬生狼は壬生狼だろ。
「……壬生狼は壬生狼だからです」
「はっはっは!そっかそっか!私も一人だけ、新撰組で扱いに苦労してる奴がいるんだ。あんたとはいい酒が飲めそうだ」
そう言っておとめさんはお猪口を軽く挙げる。私も慌てて酒瓶ごとあげる。
「あー……夜風が気持ちいいねぇ」
なんかいいな。おとめさん……
【あんたとはいい酒が飲めそうだ】
そんなこと言われたことない。胸の奥がじんわりと暖かい。
* * *
「っくしょん!!いくら夏とは言ってもやっぱ夜は冷えるなぁ」
屯所で書状をまとめていた近藤が開けっぱなしになっている襖を閉めた。
おとめが扱いに困ってる『壬生狼』は近藤ですね。汗
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