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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第一章 奇跡が起こった夜

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13/41

あの時間の続き

容保様に会いたい気持ちがおさめられず、敏姫は容保に会いにいく。


※とめ視点です。

(殿、お昼に会ったばかりだというのに……もう殿に会いたいというのは、敏はおかしくなってしまったのでしょうか?それでもこの胸の高鳴りを抑えられないのです//)


 知らず知らずのうちに姫様の足が早くなっていく。

 姫様〜!お昼じゃないんだから走るのはやめて!


(とめにお菓子を出された時に……あの時間の続きを、もう少しだけ感じていたくて)


 姫様が袖をぎゅっと握りしめながら、角を曲がった、その時ーー


「ーー敏?」


「……!//」


 姫様の足がぴたりと止まる。


 目の前にいたのはーー


 同じように、こちらへ歩いてきた容保様だった。


「……殿……」


 二人は、しばしその場に立ち尽くした。


 まるで、どちらも予想していなかったかのように。


 いやーー


 本当は、どこかで期待していたのかもしれないな。だって容保様の顔、表情にはあんまり出ていないけど、ほんのり嬉しそうだもの。


「……こんな時間に、どうした」


 容保様の声は、城下町を二人で歩いた時のように柔らかくて。


「それは……その……」


 咄嗟に聞かれた姫様は視線を泳がせる。


(会いたくて来ました、だなんて……言えるわけがないですわ。烏滸がましいもの……)


「……私は、仕事を終えたが……部屋に戻る気が起きなくてな」


「……はい」


「ふと、敏に会いたくなったのだ。不思議だな……昼間に会ったばかりだというのに」


「……っ!!//」


 そう言って月を見上げる容保様の顔が、ほんのりと染まって見えた。


「とっ、敏もです!殿!」


「……ん?」


「敏も……殿に会いたくて来たのです」


 そう言って姫様は容保様の着物の裾をそっとつまむ。


 あざと!姫様にしかできないよそんなの!!


「……こんな気持ちは、初めてです。敏は、おかしいのでしょうか……//」


 そう言って姫様は潤んだ瞳で上目遣いをする。

 目に見えて容保様の顔が赤く染まっていくのがわかった。

 いやそりゃそうでしょうよ!!姫様いつのまに覚えたのそんな技!


「……敏……お前は……」


「……???」


「……可愛いな……」


「うぇぇっ!?//」


 姫様の素っ頓狂な声を聞いた私は吹き出してしまった!


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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