あの時間の続き
容保様に会いたい気持ちがおさめられず、敏姫は容保に会いにいく。
※とめ視点です。
(殿、お昼に会ったばかりだというのに……もう殿に会いたいというのは、敏はおかしくなってしまったのでしょうか?それでもこの胸の高鳴りを抑えられないのです//)
知らず知らずのうちに姫様の足が早くなっていく。
姫様〜!お昼じゃないんだから走るのはやめて!
(とめにお菓子を出された時に……あの時間の続きを、もう少しだけ感じていたくて)
姫様が袖をぎゅっと握りしめながら、角を曲がった、その時ーー
「ーー敏?」
「……!//」
姫様の足がぴたりと止まる。
目の前にいたのはーー
同じように、こちらへ歩いてきた容保様だった。
「……殿……」
二人は、しばしその場に立ち尽くした。
まるで、どちらも予想していなかったかのように。
いやーー
本当は、どこかで期待していたのかもしれないな。だって容保様の顔、表情にはあんまり出ていないけど、ほんのり嬉しそうだもの。
「……こんな時間に、どうした」
容保様の声は、城下町を二人で歩いた時のように柔らかくて。
「それは……その……」
咄嗟に聞かれた姫様は視線を泳がせる。
(会いたくて来ました、だなんて……言えるわけがないですわ。烏滸がましいもの……)
「……私は、仕事を終えたが……部屋に戻る気が起きなくてな」
「……はい」
「ふと、敏に会いたくなったのだ。不思議だな……昼間に会ったばかりだというのに」
「……っ!!//」
そう言って月を見上げる容保様の顔が、ほんのりと染まって見えた。
「とっ、敏もです!殿!」
「……ん?」
「敏も……殿に会いたくて来たのです」
そう言って姫様は容保様の着物の裾をそっとつまむ。
あざと!姫様にしかできないよそんなの!!
「……こんな気持ちは、初めてです。敏は、おかしいのでしょうか……//」
そう言って姫様は潤んだ瞳で上目遣いをする。
目に見えて容保様の顔が赤く染まっていくのがわかった。
いやそりゃそうでしょうよ!!姫様いつのまに覚えたのそんな技!
「……敏……お前は……」
「……???」
「……可愛いな……」
「うぇぇっ!?//」
姫様の素っ頓狂な声を聞いた私は吹き出してしまった!
最後まで読んで頂きありがとうございました。




