まだ、あなたに会いたい。
初めてのお忍びデートを体験した夜のこと。
敏姫様は興奮冷めやらぬといった感じで……
※とめ視点です
「ああ!今日は楽しかったわ!」
そう言って布団に転がる姫様は上機嫌だった。
「ふふ、姫様のそのような姿が見られるなんて。とめも嬉しいです」
あ、そういえば……お土産を持たせてもらってたんだ。
「まぁ!どうしましたのこのお菓子!?」
「容保様が持たせてくれたのです。お土産にと。あのお方は下々の者にも気を遣ってくださるんです」
「……まぁ……殿、なんとお優しいこと」
私が小袋に入れて持ち帰った菓子を、一つ一つ並べているのを見て姫様は目を輝かせた。
「綺麗ね……食べるのが勿体無いわ」
姫様は今日の出来事を思い出すようにしてしばらく菓子を眺めていた。
ーーかと思うと。
「ねぇ、とめ!少しだけ殿のご様子を見に行ってもいいかしら?」
「ええっ?でも姫様はもうお休みになる時間ですよ。いくら健康になったとはいえ……」
「少しだけ!少しだけ!……殿のお顔を拝見したいのです」
いや……昼間に散々会ったじゃないか。そのラブラブっぷりを私たちに見せつけながら……
「会いたいのです。その……お菓子のお礼もしたいし……//」
恥ずかしそうに目を伏せる姫様の瞳は、まさに恋する乙女のそれで。
私は仕方なく頷いた。
「容保様はお休みになられておいででしょうから、お付きのものはとめ一人だけですよ。それ以上つけたら騒ぎになりますから」
私は口元に人差し指を立てて釘を刺す。姫様は私の真似をして口元に人差し指を立てた。
な、なんと可愛いらしい人!!//天使かな??今の姫様、今度こそ誰か写真に撮っていないかしら?
「ゴホン、では行きましょうか」
廊下は、夜の静けさに包まれていた。
灯りはところどころに置かれた行灯だけ。
人の気配も少なく、姫様と私の足音だけがやわらかく響く。
敏姫様は可愛すぎる。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




