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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第十四章 山から降りた山猫

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沖田と篝(かがり)

篝に興味を持った沖田は、唐突に篝に試合を申し込む。

「ねぇ、あんた」


 気配もなく沖田は試合を終えたばかりの篝に声をかけた。


「僕とやりましょうよ、木刀で」


「沖田さん?」


 上座に座っている敏姫が思わず身を乗り出す。

 

 その声で、沖田は一瞬穏やかな表情になった。


「容保公、敏姫様すみません。失礼を……」


 沖田の言葉に被せるようにして篝は言葉を放つ。

 敏姫よりも低くて、でもよく通る声で。


「いいぜ、やろうじゃないか。敏姫様、いいですよね?」


 篝は突然目の前に現れた『壬生狼』に興味津々だった。

 新撰組のことは聞いていたが、その一人が目の前に現れたのだ。

 

 しかも自分と手合わせしたいと申し出てきた。


「二人とも、手加減するなら……」


「敏……」


 容保公が困ったように苦笑する。剣士にとって、木刀だろうが真剣だろうが、剣を構えた時点で手加減などあり得ない。


 それを容保は知っていたが……本気で言っている敏姫の様子を見て軽く息をついた。


「ーーわかった。だが危険だと判断したら私が止める」


「容保殿!!こやつ(沖田)は名簿に載ってませんぞ!」


「審判殿、此奴(沖田)は一度私の前で試合を披露したことがある。何、心配は無用だ」


(とはいえ、あの沖田の本気の殺気を制御できるのは新撰組の面子だけだが……)


 容保は永倉と斉藤に視線を送る。

 

 永倉と斉藤はそれぞれわかったように頷く。


 容保はその様子を見ていくらかホッとした。


(早く戦いたい!この女と……)


 血に飢えた狼のような沖田の雰囲気を、二人と容保、そしてとめは感じていた。


 とめは制御されていたとはいえ、沖田の殺気を受けたことがあるのでなんとなくわかるのだ。


(もー何をやってんのよ沖田は!!)


 沖田は殺気を、今度は隠そうともしてなかった。

 そこには一切の遠慮も見られない。


 それは篝も同じだった。

 

 獅子のような殺気を沖田にぶつける。


「ではーー始め!」


 容保の合図が終わるか終わらないかのうちに、沖田が素早く踏み込む。

私の物語の容保公と敏姫様優しすぎるから好きです。

沖田と篝の試合はどうなるのかな。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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