沖田と篝(かがり)
篝に興味を持った沖田は、唐突に篝に試合を申し込む。
「ねぇ、あんた」
気配もなく沖田は試合を終えたばかりの篝に声をかけた。
「僕とやりましょうよ、木刀で」
「沖田さん?」
上座に座っている敏姫が思わず身を乗り出す。
その声で、沖田は一瞬穏やかな表情になった。
「容保公、敏姫様すみません。失礼を……」
沖田の言葉に被せるようにして篝は言葉を放つ。
敏姫よりも低くて、でもよく通る声で。
「いいぜ、やろうじゃないか。敏姫様、いいですよね?」
篝は突然目の前に現れた『壬生狼』に興味津々だった。
新撰組のことは聞いていたが、その一人が目の前に現れたのだ。
しかも自分と手合わせしたいと申し出てきた。
「二人とも、手加減するなら……」
「敏……」
容保公が困ったように苦笑する。剣士にとって、木刀だろうが真剣だろうが、剣を構えた時点で手加減などあり得ない。
それを容保は知っていたが……本気で言っている敏姫の様子を見て軽く息をついた。
「ーーわかった。だが危険だと判断したら私が止める」
「容保殿!!こやつ(沖田)は名簿に載ってませんぞ!」
「審判殿、此奴(沖田)は一度私の前で試合を披露したことがある。何、心配は無用だ」
(とはいえ、あの沖田の本気の殺気を制御できるのは新撰組の面子だけだが……)
容保は永倉と斉藤に視線を送る。
永倉と斉藤はそれぞれわかったように頷く。
容保はその様子を見ていくらかホッとした。
(早く戦いたい!この女と……)
血に飢えた狼のような沖田の雰囲気を、二人と容保、そしてとめは感じていた。
とめは制御されていたとはいえ、沖田の殺気を受けたことがあるのでなんとなくわかるのだ。
(もー何をやってんのよ沖田は!!)
沖田は殺気を、今度は隠そうともしてなかった。
そこには一切の遠慮も見られない。
それは篝も同じだった。
獅子のような殺気を沖田にぶつける。
「ではーー始め!」
容保の合図が終わるか終わらないかのうちに、沖田が素早く踏み込む。
私の物語の容保公と敏姫様優しすぎるから好きです。
沖田と篝の試合はどうなるのかな。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




