人斬りの性(さが)
新撰組を壬生狼と言ってあからさまに嫌な顔をする篝は、合図の声と共に試合を開始する。
「ーー始め!」
試合が始まった。もちろん真剣は使わない。
秋月篝の試合は瞬く間に終わった。
ギィン!!
男の木刀が宙へ弾かれた。
次の瞬間には、篝の切っ先が男の喉元で止まっている。
初夏の風が二人の間を吹き抜けた。
「…………」
ざわり、と演武場が揺れる。
男剣士が押された。しかも圧倒的な力の差で。
「……ふん」
篝は何ともなかったかのように木刀を肩に担ぐ。
その事実に誰もが息を呑む。
立会人が静かに口を開く。
「ーーそこまで」
「わぉ!すげぇ〜!さすがはじめが『いつか手合わせしたいリスト』に載せていただけのことはあるな」
永倉が思わず警備のことを忘れて拍手する。
「…………そうだな」
斉藤はそう言いながらも、頭の中はときのことでいっぱいだった。
(もし、ときがこの勝負を見れば怖がってしまうかもしれない……)
どこかから見ていないかと心配になった斉藤は、キョロキョロと辺りを見回してときを探していた。
「なんだ、あの女……」
面白い。
沖田の胸がざわつく。
(あいつと剣を交えたい!)
ぐつぐつと煮えたぎるような沖田の衝動は、まさに人斬りとしての性が芽生えた瞬間だった。
篝は強いですね。多分新撰組の組長クラスとほぼ同等ではないでしょうか。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




