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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第十四章 山から降りた山猫

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人斬りの性(さが)

新撰組を壬生狼(みぶろ)と言ってあからさまに嫌な顔をする篝は、合図の声と共に試合を開始する。

「ーー始め!」


 試合が始まった。もちろん真剣は使わない。


 秋月篝の試合は瞬く間に終わった。


 ギィン!!


 男の木刀が宙へ弾かれた。


 次の瞬間には、篝の切っ先が男の喉元で止まっている。


 初夏の風が二人の間を吹き抜けた。


「…………」


 ざわり、と演武場が揺れる。


 男剣士が押された。しかも圧倒的な力の差で。


「……ふん」


 篝は何ともなかったかのように木刀を肩に担ぐ。


 その事実に誰もが息を呑む。


 立会人が静かに口を開く。


「ーーそこまで」


「わぉ!すげぇ〜!さすがはじめが『いつか手合わせしたいリスト』に載せていただけのことはあるな」


 永倉が思わず警備のことを忘れて拍手する。


「…………そうだな」


 斉藤はそう言いながらも、頭の中はときのことでいっぱいだった。


(もし、ときがこの勝負を見れば怖がってしまうかもしれない……)


 どこかから見ていないかと心配になった斉藤は、キョロキョロと辺りを見回してときを探していた。


「なんだ、あの女……」


 面白い。


 沖田の胸がざわつく。


(あいつと剣を交えたい!)


 ぐつぐつと煮えたぎるような沖田の衝動は、まさに人斬りとしての(さが)が芽生えた瞬間だった。

篝は強いですね。多分新撰組の組長クラスとほぼ同等ではないでしょうか。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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