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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第十三章 壬生詮議組?

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青い丸は全部あなたのため

※このお話ではおときの妄想の文章がやけに長いです。

「それで『熊二人と問題児』の出動ってわけかい?てかその問題児は?」


「さっきからいますよ」


 いつのまにか私の背後にいた沖田がつぶやいた。てかこいつ、自分で問題児だっていうことわかってるんだ……


「……近藤先生が単独で出かけるのは大抵の場合情報収集や、隊士への勧誘です。でもその場合には僕たちに必ず報告していくんです」


「……それが私と何の関係があるってんだい?」


「ありますよお姉様!!近藤さんはお姉様に惚れているんですから!今日も街に出て、きっとお姉様に似合う着物やらかんざしや……櫛を探しに行ったに決まってます。それでお姉様に似合うとびきりの着物を着てもらうの……近藤さんはそれを見て『まるで天女のようだ』とつぶやいて……」


 ときが完全に妄想の世界に入りそうなのを見て、慌てて斉藤がときの口を塞ぐ。


「はぁ……だから探しに行けって?私は綺麗な櫛より味噌田楽の方が好きなんだけどねぇ」


 ふと見ると、斉藤はときの口を押さえながらもその表情はどこか穏やかで優しい。


 永倉はその様子を見てニヤニヤし、沖田は呆れている。


(こういう時が、平和って言えるのかも……)


「まあ仕方ない。そういうことなら出てきてもらおうじゃないか。また会津の金を使ってたら困るしね」


 * * *


 かと言ってみだりに探すのは得策ではない。

 

 斉藤が地図を広げて、近藤さんが行きそうな場所にあらかじめ丸を書いていた。


「近藤局長が行きそうなところは、とめさん関係はこの青い丸で記しているところだ。世話になっている呉服屋と、笠屋。櫛屋。香屋だ」


「全部青いじゃねえか!!どんだけ私のために動いてんだ」


「お姉様のことがそれだけ好きだということですわ……そして近藤さんの贈り物をお姉様が身に着けることで、お二人の絆が……」


「……おとき、やめなさい」


 また妄想が暴走しそうなときを斉藤が(いさ)める。

 確かにいちいちときの暴走を止めてたら話が進まんわな。


 私が来て正解だったかも。


「うーん、近藤さんにはこの前かんざしをもらったからなぁ。でも着物はいらないって断ったんだ。高いし」


「……でも近藤さんはお姉様に新しい着物を着て欲しいって思ってますわ」


 ときが妄想をそのままに話す。


「近藤さんはお姉様に似合うとびきりの着物を着てもらって……自分の前でくるくると回って欲しいのです。そしてお姉様のあまりの美しさに卒倒して惚れなおし……」


「おとき、暴走するなと言っただろう」


「ぶはっ!はじめも大変だな!」


「……ぶふふ、普段無表情の斉藤さんが困ってる。これは貴重ですよ」


 永倉と沖田はときの扱いに苦戦している斉藤を見て完全に馬鹿にしていた。

 

 いや、微笑ましく見ていた?の方がしっくりくるか。


「とにかくこの青い丸がついてる呉服屋に行ってみるとしよう。もしときの推理が正しかったら近藤さんがいるかもしれない」


 そして会津の金を使っていたら今度こそ近藤さんを締めて、味噌田楽を奢ってもらうんだ。


沖田が局長のことを「近藤先生」って呼ぶの何か好きです。

斉藤とときは何をやってんの笑


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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