怪文書事件の調査
斉藤と永倉は、自分たちではこの文が女子が書いたものかどうかもわからないので、モテ男土方を頼ることにした。
「はぁ?恋文ィ?はじめにもついに春が来たんだなぁ!よし、今日は祝い酒だ!飲もう!」
屯所の玄関の掃き掃除をしていた永倉がパッと顔を輝かせた。
「……新八、違う。これはなりすましだ。心当たりはないか?」
斉藤は顔色ひとつ変えず、そう言って永倉に文を渡す。
「んー?どれどれ」
永倉はしばらく文を見ていたが、何かを閃いたかのように目を輝かせた。
「そうだ!こういうのはな、土方が得意なはずだ。土方はモテるから女子からの文もたくさんもらってるはずだからな」
バシン、バシン!
二人は藁束で稽古中の土方を訪ねた。こちらに気付いた土方が稽古の手を止める。
「……どうした?二人そろって」
「……歳三、稽古中にすまんな。実はこの文が今朝俺のところに届いたんだが……」
「文?」
土方は汗を拭いながら斉藤から文を受け取ってしばらく眺めた。
「歳三、この文は女子の書いたものだろうか?」
「……ふむ。全く要領を得ない文章だが、この字の細さといい、花柄の便箋といい、女子が書いたものと言って間違いないだろう」
そこで土方がひと息つく。
「斉藤、お前もついにこういう文をもらう時が来たのか……そうか、無愛想なお前がついに……」
土方はしみじみと言った感じで何度も頷いた。
違う、といいたかったが、土方に言うと「何故だ?喜べば良い」とかトンチンカンなことを言われそうなのでやめた。
(浪士達の仕業じゃなかった……よかった)
「と言うことは敏姫様のことをよく知っている誰かの仕業か……」
永倉が呟いた。
「姐さんに確かめに行こう」
言葉を受けて斉藤が答えた。
土方さんはこういうのは慣れているので自分がノンデリな発言をしてるのにも気付きません。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




