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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第十三章 壬生詮議組?

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壬生詮議組・最初の事件

壬生詮議組が結成?されて数日後、斉藤のもとに一通の怪文書が届いた。

 壬生屯所 斉藤の書院にてーー


 斉藤宛てに一通の怪文書が届いた。


「とのへ


 まいにち あなたをあもっています。

 このごろは、葵祭につれていってくれさって、ありがとうござります。

 あなたがくれたしんじゅの串を

 まくらにしたしたら

 よくねむります とし姫」


「……なんだこれは」


 斉藤は殿ではない。


 おそらく敏姫様が容保公に届ける予定だった(ふみ)が、なんらかの手違いで斉藤宛ての書状に紛れ込んだのだ。


「これは調査が必要だな……」


 * * *


「なんだいこれは?」


 会津藩 黒谷のお屋敷にてーー


 斉藤が、顔に似合わない花柄の文を出してきた。


「……間違えて届いたようだ。どうやら敏姫様から殿へ宛てた文が紛れ込んでいたらしい」


 私はその文を読んで思わず顔をしかめた。


「姫様はこんなに汚い字じゃないし、文面もお上品だよ。所々間違えてる箇所もあるし……これはなりすましだね」


「俺もそう思ってな……」


「ああ、私が出どころを調べるのかい?」


 斉藤が頷く。


「俺もできるだけ協力する」


 私はもう一度その文を見た。みみずがはったような字。拙い文章。

 

 学が無さそうなのが一目でわかる。


 もしかしたら……


「浪士の一人が、敏姫様のふりをしてる可能性もあるね」


 それを聞いて斉藤は意外そうに目を丸くした。


「……何故だ?」


「考えられる動機としては、嫉妬じゃないかい?熊二人は目立つし、最近姫様と仲が良いだろう?でも剣技では到底敵わないから、ちょっと悪戯してやれと思ったのかもしれない」


 斉藤があり得ないという顔で私を見る。


「……敏姫様と仲が良いのはむしろ総司では?」


「沖田はこんな悪戯したら問答無用で斬りかかってきそうじゃないか」


「……信じられん。日々鍛錬に明け暮れる浪士達が俺にこんな悪戯を……」


 斉藤はそう言って頭を抱えた。真面目だなぁ。


「斉藤、もしかしたらの話さ!でも壬生で起きている以上、その可能性も否めないだろう?」


 斉藤は私の言葉に首を捻ったままだ。


 とりあえず斉藤は屯所に戻って永倉と調べることにし、私は黒谷にいる人達にそれぞれ聞いて回ることにした。


顔に似合わない花柄の文を斉藤が持ってきた描写が書けて満足です。笑


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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