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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第十二章 虎之助の兄

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罪深い女・おとめ

永倉を酒で潰した後、とめは黒谷に帰っていた。

そこで問題児ーー沖田を見つけたが……

 会津藩 黒谷のお屋敷ーー

 敏姫のお部屋にて。


 縁側で日向ぼっこをする敏姫様と、それを優しく見守る容保様。


 ーーと、何故か当然のようにいる沖田。


 やっぱここだと思った。


 沖田は葵祭の時に敏姫様と容保様も認める「敏姫様の友」になってから、ますます忠義心が厚くなってる。


 いつ不埒(ふらち)な輩が現れてもいいように構えているのは大変よろしいことだけど……


(何故か殺気も漏れてんだよなぁ……)


 私は一度、沖田の殺気を(正確には逸らしてくれたんだけど)浴びたことがあるからわかる。


 沖田の殺気は密やかにしても漏れてるんだよね。


 一度、沖田に「何故気配を消すのか」と聞いたら、癖みたいなもん、と言われたから殺気もそうなんだろうな。


 それにしても、後ろから敏姫様を見る沖田の表情は、最初の頃よりうんと穏やかになったねぇ……


「とめ!おかえりなさい!」


 いち早く姫様がこちらに気付いた。


「とめ、大儀であったな」


「いえいえ、私の誤解でした。近藤局長は自分の金で買ったと言ってましたよ」


 私の言葉を聞いて、容保様は肩を落とす。


「……新撰組の浪士たちには済まないと思っている。会津に潤沢な資金があればもう少し俸禄も与えてやれるのに……」


 容保様……


「まぁとめ!そのかんざし素敵ねぇ!近藤さんから頂いたの?」


「へへへ、まぁね!近藤さんが私のために奮発したってんなら受けとらないと」


「ふふ……とめは何とも罪深い女子(おなご)だな」


「えっ?」


 容保様は困ったように眉根を下げる。


「男が女性に何かを贈りたいという気持ちは……」


 容保様は敏姫様を抱き寄せて、その髪に差してあるかんざしを弄る。


「自分の気持ちに気付いて欲しいという意味だと私は思うがな……なぁ敏……」


「殿……敏は、殿の気持ちに気付いていますわ//」


 あー始まった始まった。おしどり夫婦のラブラブ劇場。


 甘ったるくて仕方ないや。


 私はその場を慌てて後にした。

容保公(会津公)は元来優しい性格だったので、自分に忠義を尽くしてくれる新撰組に少なからず思うところはあったと思います。私の想像ですが……


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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