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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第十二章 虎之助の兄

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問題児参戦!

斉藤と一緒に廃寺の捜査をすることになった永倉。そこへ沖田が登場し……

「で、その廃寺に捜査に行くのはいいとしてーー」


「……総司、お前も行くのか?」


 斉藤と永倉の目の前には木にもたれかかって腕組みしている沖田。


「……主君とそのご正室に関わることなんですよね。当然です。それに僕は敏姫様の友ですから」


(……ひょっとして総司はただ敏姫の友ってことを俺たちに強調しに来たのでは?)


「ったく、お前は可愛いやつだな総司ィ!」


 永倉が沖田の髪の毛をぐしゃぐしゃにかき混ぜた。


「やめてくださいよ!//前にも言ったけど僕の髪は永倉さんみたいにボサボサじゃないんですから!」


「んだとぉ!?」


「……まぁいい。まだあちらの数も得体も把握できていないからな。人手は多い方が良い」


 斉藤の言葉を聞いて、沖田と永倉は顔を見合わせて無言で頷く。


 * * *


「……ここだ……」


「うわ、思ったより……」


 熊二人と沖田の前に聳え立つ廃寺は、門構えがあるにはあるが建物自体に年季が入っており、苔むした建物もあった。


「建築物ってのは誰も手入れしないとすぐダメになっちまうんだな」


 永倉はその廃寺の有様に呆然としており、斉藤もそれに深く頷いた。


「……相当昔に捨てられてそのままか?掃除も適当のようだ」


「ここなら壬生の方がまだマシですね」


「誰か来るぞ、二人とも気配を消せ。総司は殺気を隠せ」


「殺気なんか出てないですよ」


「無意識のうちに出してんだよお前は!」


 永倉と沖田がまた喧嘩をし始めた。斉藤は構わず身を低くして門の方を見つめた。


 浪人が門から四人出てくる。


「昨日酔っ払った豹魔の旦那に絡まれてよぉ……まだ首痛ぇ」


「お前は締め上げられてたな」


「死ぬかと思ったぜ」


 浪人の話を聞いた沖田が永倉の方を見る。


「ん?なんだ総司?」


「……別に……」


「しかも酔うと獣みたいに叫ぶしな」


「俺はあれが一番嫌だ。寺のスズメが全部逃げたんだぜ?」


 浪人の一人がそう言って口をへの字に曲げる。


「まぁ酔ってない時は普通だけどな」


「火も起こしてくれるし、飯も食わせてくれるし」


「この辺の連中、豹魔の旦那が来るまで飢えかけてたからな」


「酔ってる時も酔ってない時も強いから、盗人が来ても倒してくれるしな」


 斉藤の眉根がピクリと動く。


「……なるほどな」


(黒崎豹魔は酒が入ってない時も強いのか……)


「……どんなやつかは大体わかった。屯所に戻るぞ」


斉藤がそう言って二人の方を振り向くとーー


「……豹魔って永倉さんみたいですね。酒癖が悪いところとか」


「んだとぉ?!全然違うわ。俺は酔っても叫ばねえよ!」


「……二人とも静かに。行くぞ」


 斉藤は静かに二人を制したが、斉藤の言葉は沖田と永倉には聞こえていなかった。二人とも頭に血が昇っているらしい。


「……はぁ、仕方ない」


 斉藤は喧嘩中の二人の着物の首根っこを引っ掴み、二人を引きずるようにして屯所へと足を向けた。


私の物語での永倉と沖田はいつもこんな感じです。永倉は沖田をただの可愛いガキだと思ってます。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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