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第4話「天然もののカキ氷」

がりがりがりがりがりがり!氷山ではない、真水の氷を摩り下ろしたカキ氷にシロップをかけるポップペップバーンを、シャインナイツは見つけたようだ。シャインナイツは正気を疑っているような表情をしていた。誰が好き好んで氷山で氷菓子を食べるんだ?と。ポンポン砲のシートの上でポップペップバーンはカキ氷を食していた。極限環境で氷を食べるのは、体温を下げるし体力も浪費する悪手だが、ポップペップバーンは別に遭難してはいないので後で温かい紅茶を飲むつもりだ。


「製氷機があるから、作ろうと思えばいくらでもアイスクリームを食べられるね、シャインナイツ」「勘弁してよ……」シャインナイツは両手をあげて更に肩をすくめて、甘味はいらないとアピールした。「じゃ、ホットココアでも淹れようか」「あっ!それなら飲みたい!」「とっておきのココアパウダーがあるよ」温かさが何よりの贅沢である。氷山空母ハボクックの生活は過酷だ。食事の待遇が潜水艦と同じレベルであるという事実が、酷い環境の証左だ。冷凍庫の中での生活だと例えられている。


「ポップペップバーン」「何シャインナイツ」「ここさ、ハボクックの船体が少し削られてる」「不思議だね」「ポップペップバーン、もしかしてカキ氷に?」「してない!そもそもパイクリートは木屑が混じってるでしょ!!」ハボクックは純粋な氷というわけではなく、いちじるしく溶けにくく安い加工氷だ。だが氷は氷、ポップペップバーンはもし次の戦争があったら自分を抜きにするか、ゴルフ場か避暑地で戦争するように頼みたいと考えていた。氷山でカキ氷というのも贅沢、と思い込むことにする。「ハボクックをカキ氷にしたら一生困らないだけのカキ氷になるね」「ポップペップバーン」「削岩ドリルの衝角をつけた戦艦がいたよね?横一列に並べて、端から削ればカキ氷だね」「ポップペップバーン!」彼女の中ではすでに、氷山空母ハボクックをどうやったら全部カキ氷にできるのかで思考実験の嵐だ。


「あっ、カキ氷マシーンが来た」とポップペップバーンが空気取り入れ窓から見たのは、栄光を惹く大海軍の戦艦だ。ドリル衝角はないが、城のような重厚な艦橋がそびえ立っている。戦艦は白波を連れてハボクックの隣を航行していく。戦艦も巨艦の筈なのだが、ハボクックと比べると象の前の子馬だ。「ハボクックは本当に大きいな」とシャインナイツは戦艦を指差しながら「戦艦てっぺんのレーダーよりも、ハボクックの側舷はまだ遥かに高くて壁になってる」


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