事の顛末と……
聞かされた事実は衝撃だった。
「騎士団第一分隊長、リシャールが裏切っておりました。」
「っっ!」
騎士団第一分隊長は、王族の信用がなければなることができるわけがない。その、リシャールが裏切っていたのだ。
「どうも、側妃様に脅されていたようで…」
「側妃様というと…」
「はい、第一皇子殿下のお母上になります。皇妃様よりも早く後宮にお入りになり、第一皇子殿下をお産みになりましたが、その後すぐに皇帝陛下は皇妃様を迎えられ、メスクリウス殿下がお生まれになりました。」
「側妃様はたしかヘスフィラル様のお父様、ムアヘッド侯爵の弟君だったわね。」
「はい……。これを申し上げるのは少々心苦しいのですが、どうも側妃様はメティーナ様を目の敵にしているようで。」
それはそうだろう。
自分の甥が婚約を破棄した相手だ。
……そんな私に、第2皇子が求婚する。
曲がりなりにも私は皇帝の覚えめでたいフォーサイス公爵家令嬢。
そんな相手と正妻である皇妃の第2皇子が婚約して仕舞えば、自分が産んだ第1皇子が皇太子になるという目はなくなってしまう。
そう考えたのだろう。
ただ、私達は死ななかった。
リシャールという証人もいる。
これで側妃は失脚する。
自国の皇子を殺そうとしたのだ。
処刑は免れない。
出身のムアヘッド侯爵家にも処罰が下されるだろう。
おそらく、爵位が落とされるはずだ。
それこそ、男爵家ぐらいに。
私が潰しに行くまでもなかった。
せっかく泳がしておいて欲しいと陛下にお願いしたのに。
「……わたし、そういえば倒れる前に殿下に何言ったっけ?」
「ブッッ」
今リュシアン様(クリス様の執事)吹いた?吹いたよね?
(来世では、わたくしを妻にしてくださいませ!)
…………………っっっっ!!!!
顔中が真っ赤になっていくのを感じる。
「りゅ、りゅ、リュシアン様!
わたくし、………っっ!」
ものすんごい笑っていらっしゃいます。
「ククッ」
リュシアン様の後ろのベットの上から噛み殺した笑い声が聞こえる。
「私達は1度死にかけたからね。
これが来世ってことでいいかな?メティーナ。」
「く、クリス様!!
わたくしのために無理をするなんて!
せっかくお守りしようとしたのに!
それであなたに何かあったら!
……笑わないでくださいませ!
真剣なお話ですっ!」
「ごめんね。あんまりにもメティーナがかわいいものだから。」
は、破壊力が……
「だからね、メティーナ。
私と婚約しよう。」
私と婚約するということは皇帝争いに身を投じるということだ。
それに、そうすることでクリス様の命の危険は更に高まる。
……私のせいで。
「君と婚約しなかったからといって私が暗殺される危険はなくならない。
それなら、私は皇帝として、メティーナと一生を過ごしていきたいと思う。
もう一度聞くよ、メティーナ。
私と婚約したい?」
「……クリス様。」
私がクリス様と婚約することが許されるのなら……
あの、まだ城に遊びに行っていた頃、そっと蓋をしてしまった淡い恋心を成就させることができるのだろうか。
それなら私は……
「わたくしの命潰えるその時まで、どうかお側に置いてくださいませ。」
大変長らくお待たせして申し訳ありません。
更新を待っていてくださった皆様がいると信じて
、投稿させていただきます。
どうか、これからもよろしくお願い致します。




