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婚約を破棄されたスペードの女王さま  作者: 星野 花織
第1章:婚約破棄ー領地帰還
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婚約式前夜

小説名、変更致しました。


ブックマークありがとうございます。


評価や感想などもお待ちしております!

「世話になったね。」


「またいらしてくださいませ。」


「是非そうさせてもらうよ。」


そう言って彼は足早に皇族専用の馬車に乗り込んでいった。


私はその馬車が見えなくなるまで見送った。




○*・.○*・.○*・.○*・.○*・.○*・.○*・.○*



側妃様は第2皇子暗殺未遂の咎で修道院に入られるらしい。一度入れば二度と出てこられないことで有名な修道院である。



実家のムアヘッド侯爵家は犯罪教唆により、当主は隠居、年の離れた弟にその座を譲り、その家は爵位が落とされ、これからはムアヘッド男爵家となる。ムアヘッド男爵家は後継をその弟の子とするように通達があった為に、ヘスフィラルが次期当主となる目はほとんどなくなった。彼は文官になるか騎士になるかしなければ生きて行く術を実家に頼る以外になくした。



そして、1つ空いた侯爵家は側妃様の産まれた第1皇子様が継がれ、臣下に降られる。



この事件をもって、陛下は第1皇子を学園の卒業とともに臣下に下ろすことになさったようだ。事実上の廃嫡である。



つまり、次の皇太子は第2皇子、メスクリウス皇子ということになった。



彼はその即位式のために急いで帰っていったのだ。



私と彼の婚約は、私がまだヘスフィラルと婚約を破棄してから2ヶ月ほどしか経っていないことから、今は婚約するだけしておいて、公表はせず、婚約式は私が15歳になり社交界にデビューする3年後に執り行うことになった。



また、フォーサイス公爵領内での襲撃であり、私が巻き込まれたことは公表しないことになったそうだ。聖魔法のことも、一部の者にだけ打ち明け公にはしない。私も口止めがされた。



○*・.○*・.○*・.○*・.○*・.○*・.○*・.○*




あれから3年の月日が経った。

半年前、私は領地から帝都に半強制的に連れ戻され、明日に控えた婚約式の為、準備を進めていた。



まだ領地にいた頃、クリス様から、婚約式のための私のドレスが注文されてきていた。

そう、注文されてきていたのだ。


どこに注文されたかって?


私は、2年ほど前に領地の特産の布を使ったドレスなどの販売をするプライベートブランドを立ち上げた。



《The Opening Dresses》



どんな物語のお姫様も、綺麗なドレスを纏って王子様と結ばれるものだ。

このドレスを纏って自分だけの物語の始まりのドレス、そのようなものを目指すべく私が名付けた。

今では帝都で大流行し、昨年から各領の領都にも支店を増やしていっている。



既製品とオーダーメイド、どちらも受け付けており、今回クリス様は私のためにドレスをオーダーしてくださったのだった。



従業員はいつもは私にデザインを見せに来るのだが、今回ばかりは当日まで見せません、と見せてもらえていなかった。



ただ、お支払いいただいたお金がとんでもない額で腰が抜けそうになったのでどんなドレスか見るのも恐ろしい気分だ。




……そうでした、私「属性調べの儀」(自分の属性と、一応自分の中にある魔力の量がわかります)と精霊との契約、終わらせました。



属性には火、水、草、風、闇、光の6つがある。このうち珍しいとされるのが光と闇だ。特に闇は、属性を持っている人が珍しい上に他の属性と術の行使の難易度が桁違いに違うため、使える人は本当に少ない。

光は稀にいる、という感じだ。



私は闇と水でした。



そう、闇と水だったんです。


2属性なのは稀にあることですが、1つが闇という人はほんの一握りなのです。

英雄級、伝説級です。


婚約式まで辿り着けなかった……

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