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295 新武器お披露目会①

いよいよ武器が完成した。そして、防具も。

いつかのときのように、施錠していたはずの俺の家にハカが侵入しており、枕元で囁かれて飛び起きた。


「あ、全員分作ったカラ、【マルチウェポン】全員連れてこいナ」


とのことだったので、かなりの大人数でぞろぞろと工房に向かった。

まず、ハカのいうとおり全員に支給されたのが、白い毛皮の防具だった。


「試しに着てみロ」


試しに袖に腕を通してみると、少し柔らかく、ひんやりしているような気がする。

ミヤなんかは何かに気づいたらしく、着た瞬間に脱いで、色々な角度から防具を眺めはじめた。


「なんか寒いな」


元々気温が高い村出身のロンタウはそう思うらしい。

着てみると全員が全員同じデザインではなく、それぞれイメージに合わせた見た目となっている。

何故かエフテルとアルカはスカートのような見た目となっている。絶対あの時着ていた衣装のせいだろう。


「い、いいのかな…またこうやって、実力に見合わない装備をもらってしまって…」

「装備に負けないくらい強くなるしかないでしょ」

「よーし、頑張ります!」


“月の果実”も恐縮しながら喜んでくれている。


「これ、勿論、破れても大丈夫、です?」


ミヤの発言で俺もピンときた。なぜブヨブヨしていて冷たいのか。


「おうおう、ギルドに聞いた無害化処理をシテル。良いとこ取りだよ」


要はこの防具、本物の魔獣のように体組織を皮で包んでいるのだ。

打撃に強く、斬撃にも強い。それこそ最強の防具だ。

で、1個だけ気になるのが…。


「…爆発はするのか?」


脳裏に浮かぶのはヒシガツマ村やガナワ山脈での魔獣の大爆発だが…。

ハカは目を逸らした。

まあ、火属性攻撃を喰らわなければいいか…。


「ともかくありがとうな」

「おうサ。これはあくまでお祝いみてえなもんヨ」

「でもお金は取るんでしょ?」

「当たり前ダロ。でも旦那が払うっしょ」


何故か俺が払うことになっていた…。

まあいいけど。狩り以外で金を使うことなんてほとんどないし。


「で、こっからが本番ダヨ。ついてこい皆の衆」


別に“黒星”以外は帰ってもいいのだが、なんとなく全員でぞろぞろとついていく。

カウンターの上には、いかにもというような感じで、それぞれの武器が綺麗に並べられていた。

“黒星”は勿論自分の武器のもとに駆け寄り、他の面子はそれぞれ興味がある武器のもとへ行く。

皆が楽しそうにしているのを見て、しみじみと思う。


「やっぱり武器更新のときが一番楽しいよなあ。とか思ってんだろ」

「人の思考を読むな」


隣にいるレイがズバリ考えを当ててきたので、少しだけ恥ずかしかった。


「けけけ、武器に頼っている間は二流だぜ」

「んなことない。優秀な武器を使いこなせてこそ狩人だ」

「あいあい。“マルチウェポン”様はそう言うだろうよ」


などと言っているが、なんだかんだコイツがちゃんと訓練を欠かしていないことも俺は知っている。あくまで軽口だ。


「俺様の大剣も改造すりゃ良かったか」

「うーん、そうだな。やめといた方がいいんじゃないか」

「なんでだよ」

「お前は努力家だから」


レイは不器用だ。

武器を新調した後は、手に馴染むまで延々と素振りをしている。

確かに彼の怪力ならば、大剣に多段炸裂機構を付けたり、色々できるかもしれないが、結局は今のギルドスタイルが一番強いタイプなのだ。


「逆によ」


レイがニヤニヤしながら肩を組んでくる。


「あそこにある変な武器たち、全部相棒なら使いこなせるよな?」

「もちろん。今はキメラが最高だから他はいらないけどな」

「流石相棒。俺様も誇らしいぜ」


さて、そろそろ落ち着いたらしい。

試し打ちを行うようだ。


「師匠!見てよ!」

「師匠、あっちで試すから来て」

「お師匠さん、ちょっと自信ねえから見てくれねえか?」

「お師匠様、少しだけご助言いただけないでしょうか…?」


…全員俺のもとに駆け寄ってきた。


「じゃあ、また草原で試そうか…全員同時に見るよ」


武器を試すのはいつもどおり草原で。

野次馬どもに的になる丸太を持たせ、またぞろぞろと移動をする。

ほぼ同時ではあったが、一応声をかけてきた順番どおりに、エフテルから試すことにする。

丸太から距離を取って、エフテルは回転杭を手のひらのうえでクルクルと回していた。


「頑張ってじゃーん!」

「…楽しみだ」


特にミーンと、メモを持ったルミスが楽しみに見ている。


「えーと、まずこの紐を抜いて…」


エフテルが回転杭の底についていた紐を引っ張ると、普段の炸裂音よりは控えめな爆発音が響き、回転杭の名前のとおり杭が高速回転を始めた。


「うわ、めっちゃ揺れるんだけど!狙いにくいなー…」


とはいえ、さっさと投げなければ回転が止まってしまう。

えいっと気軽にエフテルは的に目掛けて回転杭を投擲した。


「うわー、流石エフテルちゃん。ウチじゃできないじゃんねえ」


文句を言っていたわりに回転杭はしっかりと的の中心に当たる。しかし杭はいつもの針よりも浅く刺さっているように見える。


「なーんだ、期待はずぉおお!?」


興味をなくしかけたエフテルが身を乗り出して杭の様子を見ていた。エフテルだけでなく、ほぼ全員が同じようなリアクションを取っている。

回転杭は、的に刺さって一瞬停止したあと、そのまま勢いよく木屑を飛ばしながら的の向こう側までを貫いて落ちていった。

当て方次第では本当に一撃で致命傷となり得るのではないか。


「これすごいよ師匠!」

「ああ、すごいな!」


なんだかんだ俺も少し興奮気味だ。


「これで火力不足が一気に解消されるな!」


エフテルの肩を抱いて、大きく笑っていると、エフテルは微妙に歯切れの悪い顔をしていた。


「何か不満があったか?」

「うん。あのね…あの杭、1本で200万クレジット超えるの。だから拾ってくるね…」


針よりも太いので、変形して使い物にならなくなることは少ないと思う。それでも、狩りで使用したときに必ず回収するというのは不可能に近い。

頑張れエフテル。出し惜しみするな。


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