133 ヒシガツマ防衛戦〜招集
目が覚めた。
大きな音がなったり、起こされたりしたわけではない。
それでも自然に、目覚めることができた。
相変わらずロンタウは俺にしがみついて眠りについている。しかし、そろそろ起きてもらわないと困る時間だ。
すっかり外は暗くなっている。
「ロンタウ、起きてくれ」
多少顔色が良くなったロンタウの頬をつつく。
起きない。
むにむにと弄ってみる。
それでも起きない。
なにしても起きないってことは…。
ゆっくりと、手を下の方に持っていく。
「夜ですよー!!」
階段を駆け上がる足音と、大きな声でハッと我に返った。
危なかった。別に何もしようとしてないが、危なかった。
「いつまでくっついてんのさ。起きろ起きろ!」
ついに足音の主は3階まで上がってきた。顔を見なくても分かる。エフテルだ。
「あら?あらあらあらあら…」
その後ろからひょっこりとカーリも顔を出す。
「お師匠様、お楽しみでしたか?」
「違うわ!むしろ助けてくれ!」
役得ではあったが、ここは被害者ぶっておこう。
「へっ…」
エフテルの何か言いたげな目を無視していると、カーリがロンタウを揺すって起こしてくれた。
「おはようございます、シタコ村長からの招集ですわ」
やっとロンタウは目を覚まし、寝ぼけまなこで口を開く。
「んあ…今すぐ行く…ってうわ!指導役ッ!?」
「いでっ」
何故か布団から蹴りだされた。お前が引きずり込んだのに…。
「お、おはよう指導役」
「おはよう。ゆっくり休めたみたいだな」
「お陰様で…」
ロンタウは少し恥ずかしさに頬を赤らめながら、小さく頭を下げた。
「良い思いはできましたぁ?」
エフテルが肘で俺の脇腹を突きながら間延びした声でいじってくる。
「よし、シタコ村長のところに行くか」
「痛い痛い痛い!」
エフテルの腕を思いっきり握り潰しながら俺はロンタウの家から出た。
入り口前で少し待っていると、カーリが下りてくる。
「ロンタウさんももう少ししたら出発できるそうなので、少し待ちますか」
「あい」
見ればカーリもエフテルも防具を着て武器を下げている。
「って、お前なんでしゃがみこんでるんだ?」
「師匠の馬鹿力で腕が折れそうになったからでしょうが!」
涙目になりながら先ほどまで俺に掴まれていた腕を見せつけてくる。真っ赤な手形がついている。
「良かったな、俺で。レイだったらお前の腕は千切れてるぞ」
「ひえ…」
暴腕のレイの名は伊達ではない。石を握り潰すのを見たことがある。
「おまたせ。わざわざ迎えに来てもらって申し訳なかった。行こう」
ロンタウも武装して、家から出てきた。
先ほどまでの寝ぼけた雰囲気はなく、専属狩人の目つきになっていた。
ではおふざけはここまでだ。
未だに腕を痛がっていたエフテルをカーリは見て笑っている。
先頭を歩く2人に俺とロンタウはついていった。
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