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13.回想と走馬灯

「キョウ、もし東の住処に行って目が治らなかったらどうするにゃ?」


 みんなの溜まり場となりつつあるリビングでマル君が私に声をかけた。

 しばらくやることなくぼーっとしてたから急に声をかけられて一瞬脳みそが理解を拒否する。

 3秒くらいかけてゆっくり言葉を噛み砕き、戸惑う。


「え、あー……考えたことなかったなぁ」

「別に聖女が目を治せるっていうのは確かな情報ではないにゃ。どちらかというと希望的観測」

「無理だったらどうするんだ?冒険はできる気がするが、リスクは必要だよな」


 暇そうに尻尾に顔を埋めていたジンが会話に割り込む。モフモフいいなぁ

 ちなみにアイは簡易ローテーブルに腕をついてウトウトしている。

 首がカックンってなる度に少し心配になる。頭とれないよね?

 頭小さいからね、とれたらどうやってくっつけるんだろ。

 ローテーブル新しいの欲しいなー。

 元々は普通のローテーブルがあったらしいけど私たちが住む前に家に入り込んでいた盗賊が盗んで行っちゃったらしい。

 あの盗賊、剣の柄でゴスってやった後は殺すのは気が引けて村長さんのところに持って行ったんだけどあの後どうなったんだろ。

 少し取り戻したいというか元々何が置いてあったのか見てみたい気がする。

 まあもうすぐ頼れる建築家さんがグラスビレッジから来てくれるから作るの依頼すればいいんだけどね。

 机って一個何レイズで作れるんだろ。

 あ、話が逸れてる。


「そうにゃ。西の住処から帰ってきて二週間くらい経ったにゃ…………そろそろ動きたいにゃ」

「それはそう。だけど動くってどこに?」

「にゃー……別に家の中でもいいにゃ」

「ストレッチ的な?」

「キョウ体かったいもんな」

「余計なお世話だよ」

「……まあストレッチみたいなもんにゃ。だけど体のじゃなくて魔力のにゃ」

「んー?話が見えない」

「魔力のコントロール性を上げるのにゃ」

「あーあー、そーゆーことね。」

「完全に理解した」

「ジンはコントロール性をあげてもしゃーないにゃ。アイと実践訓練してくるべきにゃ。」

「俺も一応魔戦士名乗ってるからな?」

「あんまり活躍ないけどね」

「ど正論!!」

「んーうるさいー……」

「アイも起きろ!俺の援護射撃してくれ!」

「ジンが悪いと思いまーす」


 目を擦って起き上がったアイは大きく欠伸をすると私に寄りかかる。


「何もしてなくてもー、生きてるだけで疲れるー」

「これが人間か……おれらも広義で言えば人間だよな?」

「まあ元々人間だからにゃ…………」

「何の話してんだろ」


 4人で話してるとすぐに何の話してたか忘れちゃう。

 それだけ楽しいってことなんだろうけど。


「何の話してたっけ?」

「えーーーーーーと……魔力コントロールの話にゃ?」

「あーね、」

「…………俺とアイはあんまり役に立てなさそうだな。ちょっくら外出してくる」

「おっけー!キョウー、イヴ貸してー」

「いってらっしゃい、夕飯までには帰ってくるのよ」

「わかったよ母さん」


「………………んにゃ、まずは……」


ーーーーーーーーーー


 やっば、不審者がどうとか思ってたらハーピィの手掴み損ねたんだけど??

 跳んだ状態から上手く着地できずに頭をぶつけそうになる。

 ここから落ちたら流石に無事じゃ済まない。


「キョウ、目を閉じてみるにゃ。そうすると魔力が見えるにゃ」


 あの時の言葉が走馬灯のように駆け巡る。

 西の住処きら帰ってきて二週間ほど経った時にした会話。

 あれから始まった魔力コントロールの練習。

 新しい技を生み出すことはできなかったけど、精度を上げることはできた。

 幻想の中のマル君に従い目を閉じる。

 ハーピィがいた方向を向いたら、黄色系の少し澱んだ色があった。

 魔物の魔力は澱んでるのかな?

 できれば取り込みたくない色してる。

 まあ私のパーティーやテイムモンスターが謎に綺麗な色してるだけかも何だけどね。


「テイムする時に触れるのはリスクが高いにゃ。」

「触れずに入れられるの?」

「可視化しない魔力は入れられると思うにゃ。…………ほら、やってみるにゃ」


 あの時はたしか、卵蛇にお願いして魔力を入れさせてもらったな。

 思ったより上手くいった。

 大丈夫、練習したから。

 手を伸ばして可視化されない魔力を出す。

 満たされない程度にハーピィに入れて…………

 魅了、できたか?

 ゆっくり目を開ける。

 そして、見えたのは……


「え、話が違う……」


 メロメロ状態になって顔を真っ赤にして止まったハーピィさん。

 明らかに思考が停止してる。

 やばいやばいやばい!


「キョウ、だけど一番いいのはにゃ、頼ってくれることにゃ。キョウは強いけどそりゃピンチになる時もあるにゃ。」

「まあ最強とはいえないからね」

「そんなときは俺たちがいるにゃ。戦闘面ではキョウに劣るかもしれにゃいけど、それでも体くらいなら張れるにゃ」


 マル君が言った後に私は何を言ったんだっけ。

 だけど、これだけはわかる。

 今は助けが必要だ。


「ね、そう思うでしょ?」

「キョウ――――――――!」


 大丈夫、来てくれるって信じてたから。

 まああんな無理なこと言ったのは許せないけどね?


「マル君!」


 頼れる蒼き竜に乗ったマル君が伸ばす手をギュッと掴んだ。

100話記念でやること何にしようか悩み中です。

なんかやって欲しいこととかあったら教えてください!

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