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5.サトウキビと山登り

「すごい、めちゃ豪華だね。」

「これは想定以上だぜ」

「メニュー全制覇したいレベルにゃ!」

「甘いものも完備ー!サトウキビもここで育ててるっぽいねー」

「というかサトウキビあるんだな。」


 多分正確に言うとサトウキビもどきだ。

 甘いものの作り方を必死に聞き出そうとしたアイに、店員さんがこっそり教えてくれたのだ。

 あの直方体の煙突巨大建築物。

 あれはサトウキビ工場兼製紙場らしい。

 この里がここまで発展しているのは紙で契約書をつくることができて、約束が有耶無耶になったりが少ないっていうのも一つの理由かもしれない。

 まあそのサトウキビで甘いものの成分を摂り、残りの搾りかすで紙を作っているらしい。

 そのサトウキビの形が少し特殊でジャガイモみたいな生え方をするらしい。

 地下の根が発達して水分を多く含む実ができる。

 だけど、自生数が少ないから見つけるのは大変だし教会が所有してるものはもらっちゃいけないらしい。

 だからあまり期待はしない方がいいと言われた。

 店員さん雰囲気もよかったし、まあ所々に宗教勧誘が混ざってた気もするけど。

 思ってたよりもいいところなのかもしれない。

 聖女様が教会から逃げ出すくらいには上層部が腐ってるのかもしれないけど、ちょっと神様への愛が深くて物価が高いだけなのかも。

 

 そんなことを思いながらメニューから選んだハンバーグの見た目をした鶏の味がするものを食べていると、他の客の声が聞こえてくる。


「聖女サマ、見つからないっぽいな。」

「祭りが催されるのは嬉しいことだけどよぉ、主役がいないのにやってなんの意味があるんだか。」

「まあ回復ができるだけだからな。所詮は教皇様の駒だ。」

「俺たちは余計なことを考える必要はないよな。」



「…………聖女様ー、あんまり慕われてないんだねー」

「まあぱっと見が完全にキノコだったからかもしれないにゃ」

「そーいう問題なのかなー?私だったら自分がしんこーしてる神様に近い人のことは大事にしたいけどなー?」

「んー……だけど、それ以外だと何が原因がわからねぇよな。」

「まあ私たちは教会よりも先に聖女様を見つけなきゃいけないでしょ?なら信仰心が深くない不真面目な人が見つけようとしてるほうがよくない?」

「それはそうにゃ。まあ今はプラスの方に考えた方がいいと思うにゃ!そんなに考えても実際に聞いてみないことにはどうにもなんないにゃん」

「そうだな。ところでこのプリンっぽい形のやつ食べたいんだが……」

「あ、ずるいー!抜け駆けー!私も頼むー」

「まあそれくらいなら……お金だいじょぶそ?」

「多分……足りるにゃ。全員違うやつ頼んでシェアするにゃ!」

「いいねー、いっぱい食べれてハッピー!」

「じゃあ……これと……」


ーーーーーーーーーーーー


 次の日……

 私たちは街を出た。

 あまり人もおらず、空も少し白んできてるだけだ。


「めずらしーく全員早起きだったな。」

「もう少し寝てもよかったんだけどねー」

「掛け布団を敷布団にしたら流石に寝違えたわ。」

「あたりまえ体操にゃ。まあ俺もなんだけどにゃ。」


 首が痛い……

 ご飯の後、部屋についてる風呂にぱぱぱーっと入って泥のように寝た。

 大理石はひんやりしてるし夜になって気温も下がってたから、結構寒くてマル君と一つしかない掛け布団をシェアしながら寝た。

 掛け布団の中があまりにも狭くて明日からは多少狭くてもいいから暖かくて柔らかいベッドで寝たいなあーと思いました、まる。

 まあ寝心地も良くない場所でいっぱい寝れるわけもなく!

 朝早めに起きてしまい、顔とか洗ってたらみんなも続々と起きちゃってそれなら早く探しに行こうぜってなって今に至る。


「これ、空飛べるかなぁ」

「あー、西の住処では謎の飛べるやつ対策がしてあったからな。」

「まあどちらにしてもこの岩山の山頂までは登らなきゃにゃ。」

「結構傾斜キツイねー。途中でクライミングみたいになっちゃうかもー?」

「魔力の糸とかでいけないか?」

「あー、西の住処で一回やったよねー」

「俺はその時いなかったけどな。」

「んー……岩が突き出てるところがあるからそこに掴まったら行けるかな?」

「いや、ああいうのは崩れやすくて危険にゃ。正攻法で登るのが一番安全で早い気がするにゃ。」

「初日から体力が削られるな。そのためにいい宿とったと考えればいいか」

「あ、このままの調子だとお金足りないから魔物の素材とかなるべくとっていかないとね!」

「そういう問題もあるのかー、」

「まあとりあえず、中腹くらいまでは歩いて登れそうだからそこまで歩いてから考えるにゃ!」


 そこからはひたすら歩いた。

 初めて山下りした時は街が見えたし、新鮮さであまりつらくなかったけど今回見えるのは白い岩壁だけだ。

 目がつまらない。

 片方しかないから情報量も半分だけどね。

 後は山が結構高い。

 この里の人は採掘に行ってるのかとか、毎日この岩壁を越えてるのかとか他に抜け道があるのかとか色々聞きたいけどまあ登るしかない。


「これ、結構キツイにゃ……」

「富士山とどっちのほうがデカいんだろーな?」

「わかんない……だけど高い方だよね?」

「んー、エベレスト登頂者の偉大さがよくわかるねー」

「エベレストよりすごい山が……キョウ!危ないにゃ!」

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