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4.話し合いと争奪戦

4.

「なるほどねー?まあ考えてもわかんないしー、話の方も始めよっかー」

「そうだな。」


 こくっと全員が同意すると、雰囲気が変わる。


「まずは聖女様の件について。」

「あれが聖女様とは誰も思わないよー。」

「だけど、この祭りが終わったら聖女様が遠征に行ってしまうなら丁度いい状況だにゃ。」

「どういうことだ?」

「つまり時間稼ぎができるってことにゃ。」

「なるほど、それでも短期決戦になるね。私たちの勝利条件は聖女様を教会よりも先に見つけて、聖女様が魔導書で、かつ快く私の眼を治して力を明け渡す…………あれ、無理では?」

「もしかして:絶望」

「いやいやー、聖女様の良心を信じてー?まあ私は嫌いだけどねー」

「なんでにゃ?」

「何を信仰してるかわからないけど、太陽教だけは違うってわかるねー。逆にアサヒが信仰してるのは太陽教だと思うよー。」

「あー、聖騎士……だっけ?」


 ナシさんたちは何してるんだろ。

 ユズさんはどちらかというと私たちに好意的だった気がするけど、ナシさんは完全敵対!って感じだったからねー。

 アサヒさんはどういうポジションなんだろうなー。

 勝手に誤解が解けてたりしないかな。

 まあ何も誤解じゃなくて事実なんだけどね。

 私とアイがやらかしたことは変わらないし。


 おっと脱線。


「まあまあ?やってみないとわからないし?」

「どうするにゃ?今から出発するにゃ?」

「えー、ちょっと休みたいー。折角こんなフカフカの布団があるのに休まないとか冒涜だろー!」

「まあアイの言うことにも一理あるよな。まあ聖女が魔導書だったらどうにかなんだろ。」


 今日は休むらしい。


ーーーーーーーーーーーーーー


 私はバンッと椅子とセットにしてあった真っ白の丸テーブルを叩いた。


「ここに!第一回お布団争奪戦の開始を宣言する!」

「「「おーーーー!」」」


 やる気は上々!

 譲れない戦いが今、始まる!

 何日も続いた空の旅、ゆっくりと寝ることは不可能な野宿。

 家の布団もフカフカとは言い難く、最後にこれは快眠!と自信持って言えるような睡眠をとったのはいつだったか思い出せない!

 そんなところに降臨した高いお金を払って泊まるフカフカベッドの宿屋!

 しかしベッドは二つしかない!

 これは!戦いだ!


 まあ別に一つのベッドに二人も無理ではないんだけど、ダブルのサイズだからねー。

 私とアイだったらさ、なんというか…………うん、アイが慎ましいサイズだからなんとかなるんだけどね?

 ジンとマル君みたいなデカいやつだと大分ぎゅうぎゅうで寝返り打ったらどっちか落ちる。

 そんな感じだから布団争奪戦が起きるのは自明の理だった。

 アイとジン、私とマル君とかだったらまあかろうじて入りそうだけど、まあフッツーに嫌。


「いやー、幸せな人を一人でも増やそー?マルトとジンだけでやってー?」

「なるほど、確かに私とアイならある程度快適に寝れるはずだからね。」

「それはそうだな。よし、マルトやるぞ!」


 悲鳴と奇声が上がるのは気にしないで私とアイで出かける準備をする。

 この後は酒場でディナーだ。

 すごい、贅沢してる気がする!

 すごい、今まで頑張ってきたから全然罪悪感とか感じない!


「おし、決まったぜ!」

「…………うにゃー」

「反応だけで勝敗がわかるんだが。」

「おもろー」

「キョウー……」

「え、え?何を望んでるタイプの呼びかけ?」

「床で一人で寝るの嫌だにゃ……」


 上目遣いやめれ!

 クッッッソ!かわいいいいいいなぁぁぁあ!


 そういうところ甘すぎるのがダメなんだよなぁとは思いながらも、可愛さに白旗をあげる。


「うああああ」

「ちょ、あんまり私のキョウ困らせないでもらえるー?」

「いや、私はマル君の可愛さに負けました!」

「潔いな、俺の掛け布団貸すぞ。」

「ありがとう、流石に大理石にそのまま寝るのは嫌だから。」

「アイー、俺もーにゃ?」

「残念ながらー、私に魅了は効きませんー。単純でおバカなキョウにやってくださいー」

「あのアイさん?」


 なかなかなこと言ってくれるジャマイカ?

 まあ、今はご機嫌だからいいけど!


「その話はおいといて!早くごはん行こ!」

「そうだにゃ!酒場が混むとめんどくさいにゃ」

「焦るなよ。それにしても、宿に泊まると飯代無料っていうのは素晴らしいな。」

「宿代が高いのも納得だよねー」


 戦いを始める前に宗教勧誘女将さんが来て、宿屋の制度に細く説明をしてくれたのだ。

 女将さんはことあるごとに勧誘をしてくること以外はすごく普通の方で、説明もちゃんとしてくれた。

 まあ話の区切りに何かと理由をつけて宗教勧誘してきたけどね?

 この宿がとてつもなく高いのはその機能性のせいだ。

 風呂代飯代洗濯代宗教勧誘代(?)全部ついてる!

 そんな宿中々ないらしい。

 一つ変なやつ入ってんなとは思ったけど、そこをつっこむとなんかダメな気がするから黙ってた。


「脱線が多すぎなんだってば!何があるんだろ?」

「なんかコッテリ系のお肉食べてぇな。魔物の肉は筋肉で硬いしパッサパサだからな」

「あっまいものー!砂糖とかあんのかなー?」

「メニュー見てから決めるにゃ!早く行くにゃん!」

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