3.聖女サマと宿
3.
「まままままあ?!これくらいなら全員知っていても可笑しくないわよ?!」
冷静に返そうとしたんだろうけどどうしてもドヤァッていう雰囲気が伝わってくる。
顔が見えたら多分キラキラしてるんだろうなー。
「じゃあ出直した方がいいか?」
「あんたらはどこに行きたいの?」
「あ、あんた……聖女様に会いにきたの。」
「つまり教会に行きたいくってことねー」
「なるほど、あんたらに一応忠告しておくわ。聖女はいないわよ」
「え、聖女様のための式典なのに聖女はいないのか?」
「…………聖女にだって息抜きが必要でしょ」
「なるほどにゃー、なんでそんなこと知ってるにゃ?」
「野生の勘よ」
「なぜ都会の少女に野生の勘があるのー?」
「いや、服装で分かるでしょ。この人神官だよ。」
「た、たしかにー!」
「よくわかったわね。銀髪、」
「銀髪……私か。まあね!」
「その目は……どうしたの?」
キノコ少女がダボっとしたローブで見えなくなっている手で左目があった場所を触った。
返り血が目立たない黒色の眼帯を今はつけている。
一瞬体が強張ったが、特に痛みとかはないから力をぬく。
「とある事情でなくなっちゃてさ、聖女様に復活させられないか聞いてみたいなーって思って。」
「ふーん。まあ頑張りなさいよ。じゃああたしは行くから。」
「うん、ありがとう神官さん。」
「また会えるといいにゃ」
挨拶をするとパタパタとキノコ少女が人の波に逆流していった。
「よし、宿屋探そうぜ」
「どのくらい予算あるの?」
「結構持ってた気がするにゃ……」
「あの!」
息を切らした兵士に話しかけられる。
銀色の鎧に鉄のヘルメット。
目元は見えないが、鎧に刻印される太陽のマークで太陽教の者だとわかった。
「どうかしましたか?」
「白い頭でっかちの人、見ませんでしたか?!」
「落ち着いて…………見ましたよ。」
「確かですか!どこにいったか教えていただきたいです。」
「ねえマル君、これ教えて平気なやつ?」
「交代するにゃ。なんでそんなことを知りたいのにゃ?」
マル君の口調にマジかとドン引くような沈黙を挟む兵士。
マル君の顔が不満気になる。
まあ他の人から見たらだいぶイタイ人…………いや、そういう人もいるよね。
「失礼いたしました。こち、わたしが探しているのは聖女サマなんです!」
「はァ??」
ーーーーーーーーーーー
まあ意味がわからなかったけど、とりあえず兵士さんにキノコ少女改め聖女が向かった方を教えた。
一度渋滞した情報を整理するために宿屋に向かった。
「すご、内装まで白いんだ……」
「アクセントの金がおしゃれ感増してるぜ」
「サウスウェストにあった成金ハウスとは全然違うねー」
「煌竜リスペクトなのにゃ?それとも太陽の金のイメージだからにゃー?」
「まあわからないけどちゃっちゃとチェックインするぜ」
「うん、あのチェックインなのですが」
「はい何部屋でしょうか」
「ひと部屋で」
「「「?!?!」」」
「かしこまりました。ではぴーーーーレイズです」
「「「「?!?!?!」」」」
「……………………はい、」
お財布代わりの巾着袋を出して、渋々大量のコインを出す。
「……お札を使ってないということは、外からのお客様ですか。」
「はい」
「ぜひ明日は教会をみていってください。そして太陽教に入信を……!」
「あそういうの大丈夫です」
素早く切り返すとしゅんとした顔で鍵を渡された。
みんなを引き連れて部屋に向かう。
ビジホみたいな感じではなくしっかりとしたホテルだったようだ。
広い内装に白い壁。
外に見えるのは壮大な白い山と教会だ。
「宿代高すぎでしょ……」
「まてまてまてまて、色々言いたいことはあるがまずはこれから言わせてくれ。」
「うん、」
「貞操観念isどこ」
「???」
「あのねー?なんでひと部屋にしたのか聞きたいのー」
「別に野宿とそんな変わらないなーって思って。ほら、外でも一緒に寝てると言っても過言じゃないなーと」
あこれは怒られるやつ。
言い訳しないではやく謝らなければ!
「ごめんごめんごめん?!」
「何が悪いかわかるにゃ?」
「…………」
「反省の色、ゼロだな」
「判決ー!死刑ー!」
「ああああ待ってください教えて!何が悪いか!」
「あきらめるにゃ、キョウはこーいうやつだったにゃ」
「よし気分切り替えてくぜ!」
「待って直すから教えて」
「宿取る時は男女わけるー、移動教室でもそうだったでしょー?」
「なるほど、努力します。」
この宿屋には酒場がついてるからキッチンとかはない。
しょうがないから、二つだけある椅子にアイを座らせた。
もう一つの椅子にはマル君が座る。
したがって、私とジンはダブルのベッドに腰掛けた。
椅子をベッドの近くに持ってきた二人はとりあえず荷物だけ下ろして整理する。
「宿代ほんとにやばかったな。」
「キョウには怒ったけどふた部屋取るという選択肢はなかったかもにゃ」
「どうする?明日から野宿?」
「やだなー、ここまで旅行来て野宿はなー」
「宿代はカツカツだけどここを拠点にしたいね。」
「なんでこんなに物価高いんだ?」
「こんな山に囲まれてたら食事とかも中々育てられないだろうし、食事と一緒に他のものの物価も上がったとか……かにゃ?」
「なるほどねー?まあ考えてもわかんないしー、話の方もはじめよっかー」




