2.大人と大地の里
「だけど俺たちの年齢ってどういう扱いなんだ?」
「あー確かにー?見た目は十八、中身は十一みたいな感じだもんねー」
「十八の扱いだと思うにゃ。少しずつ体に精神が追いついていってる……気がするにゃ」
「わかる!偶に急激に頭が良くなった気がするって思うことある。」
小六では知らないような知識がいつのまにか頭に入っているみたいなことが成長してから増えた。
「まあ詳しいことはよくわからないです。なんといってもすごい異例ですからね」
「なかなかないだろうな」
「今クラスメイトに会いに行ったら誰だかわかってくれるかな」
「どうだろねー、最後に会った時にはまだ子供で動物化もしてなかったもんねー」
「面影は……探せばあるかにゃ?」
「だけど俺やマルトは声変わりまでしちまったからな」
「そう考えると私たちこの世界にきてから結構変わったんだね」
「キョウが戦闘狂になったこととかー?」
「こら、蛮族の間違いにゃ!」
「失礼が止まらないコイツら、おいジン!鼻で嗤った?!」
「最悪すぎる笑い方にゃ」
「熱い風評被害だぜ」
「おちついてください、話題の流れが早すぎてついていけないんですが?!」
「あ、何の話してたっけー」
「メニューの話だった気がするにゃ」
「まあこれ以上話すこともないでしょ」
「じゃ、明日も早いし寝るか!」
「うん、グリモアもありがとう」
「……はいマスター、おやすみなさい」
「おやすみ、『クローズ』」
「うし、おやすみな!」
「おやすみー」
「おやすみにゃ」
「おやすみ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
その後も飛行の旅を続けて、私たちは岩山が多い地帯にやってきた。
岩山に囲まれるようにしてあるのが大地の里だ。
比較的白い岩山が集まっている。
家は白のものが多い。
ギリシャのサントリーニ島の海がない版?とにかく白い。
その中でも一際目立つのは、天井がドーム型のステンドグラスになっている建物だ。
てっぺんに金色の太陽がついているから、多分太陽教の本拠地の教会だ。
綺麗に整備されている道で教会と繋がっているのは聖火台。
蒼く大きな炎が揺らめいている。
教会の次に大きい建物は巨大煙突がついている。
直方体で窓はあるが、中が見えないすりガラスだ。
あれはなんの建物だ……?
上からある程度景色を見つめる。
とりあえず、向かうべきは教会だ。
聖女がいるのは教会なはず!
イヴとヌーンが並んで降り立つ。
里の中心に降りると驚かれるかもだから、里に一番近い岩山のふもとにだ。
私の二倍くらいある背丈がだんだん小さくなる。
最終的には私の顔と同じくらいのサイズになり、私の両肩に乗った。
尻尾だけがひょろりと長く、背中にかかる。
「お疲れ様。五日間もありがとう」
きゅいっと返事をするのを聞くと私はクローズした。
卵蛇が袖口から出てくる。
数日前までクローズした瓶から出てきてくれなかったけど、飛行している途中になぜか出てきた。
気まぐれすぎる……
「キョウ、行こうぜ。」
「あ、そうだね。」
ここにきたのは観光じゃなくてちゃんとした目的がある。
時間がないわけではないが、サクサクと行動して目的を達成した後にゆっくり観光しよう。
「俺、外国行ったことないんだよな」
「私もー」
「俺はあるにゃ」
「どこ?」
「どこだったかにゃ……というか、いつ行ったんだけにゃ…………?」
「マルトにわからなかったら誰にもわからねえんだよなー」
「んーーーー、思い出せないにゃ」
「まあいつか思い出すでしょー、レッツゴー東の住処ー!」
里に向けて歩き始める。
戦闘に入ることはなく白亜の里が近づく。
私たちは角や耳を隠すための道具を身につけた。
「サントリーニ島みたいだな……」
「それ私も思った。」
「写真でしかみたことないけどな」
「実際には違うけど、異世界で似たような景色が見られるなんてね……」
里は賑わいを見せており、谷底の教会が近づくにつれて人が増えているように感じられる。
「なんかの祭り……?」
「毎日これだったらすごい楽しそうにゃ」
「聞いてみるー?」
「そうだな、教会の空き状況次第で明日に回してもいいかもな」
「そしたら早めにホテル探すにゃ!俺たちの値段でも泊まれるところがあるといいけどにゃ」
「なかったら野宿だもんねー」
「流石に野宿は嫌だな、ということで!そこの方?」
「は、はい?!」
話しかけたのは人の流れに逆行する人。
大きなキノコのような白の帽子にヒラヒラとした布がついている。
帽子を深く被っているせいで顔は見えないけど声から女の子なんだろうなってことがわかる。
パッと見だと大きな白いキノコが動いているように見えた。白いローブがキノコの柄のようにみえるのも一つの原因だ。
「すごく混んでるけど今日って何かあるの?」
「ええ、今日は聖女の出発式があるのよ」
「どこにいくのにゃ?」
「各地の聖火に火種を出足しに行くのよ。今回の目的は主に復興したさうすうぇすと?って言ってた気がするわ?」
「なるほどー、詳しいんだねー」
「まままままあ?!これくらいなら全員知っていても可笑しくないわよ?!」




