28.耐性と絆
「……やっと安定したー、ここまできつかったー」
「俺たち結構強くなったはずなんだけどな。」
「感覚に訴える系のやつにはとことん弱くなったのがよくわかった。」
「イヴほんとにありがとにゃ~」
「いやお前のことを助けたのはー私だろー?」
「あーそういえばそうだったにゃー。ありがとうございましたにゃー」
今はイヴの上で休憩中。
本当に疲れたしイヴ様様だった。
ここまで苦しんで落下死とかほんっとうにシャレにならない。
「ここ、どうやって出るんだろ」
「空間自体が不思議にゃ。真っ暗なのにお互いの姿はハッキリ視認できるにゃ。」
「なんなんだろうねー。キョウがコアにぶつかって起きたってことはわかるけどねー」
「そうなると、この空間はコアの内部……になるのか?」
「外はあんなに荒れてたのにここは静かにゃ。」
「ほんとにねー。……不気味なくらいにはー」
嵐の前触れのような静けさ。
風の音もなく、ただイヴがホバリングする音だけが繰り返されている。
私、こういうときに何が起きるか知ってる。
なんかすごいのが出てくるんだ。
空気が揺れてる。
イヴの羽の向こうに大きく震えてる。
「…………なにか出てくる気がする。」
「なにかって何にゃ?敵だったらちょっと厄介にゃ。」
「空中戦になることは間違いないな。落ちたらどうなるかわからないもんな。」
「イヴとヌーンあとはアイ竜にも頼りっきりになることは間違いない」
「アイ竜じゃないってばー」
「「「いやアイ竜だろ」」」
「どうしてそこだけ息ぴったりなのー?」
「まあそんなことはどうだっていいのよ!!」
「どうする?とりあえず行けるところまで下行ってみる?」
「結構時間かかるんじゃね?」
「いやあのジェットコースターを乗り越えた私たちならいけるでしょ」
「ああ今日だけで何回嫌な予感に苛まれるんだろうな」
「キョウ!血迷ってるにゃ!」
「あー、私アイ竜になって見守っておくねーほら、戻るための場所がここに出たら大変でしょー?」
解除してたアイ竜モードをもう一度つけたアイはイヴを少し離れて滞空している。
別に無理に連れて行こうとは思ってないけどね?
「ん?ジンとマル君は行く?」
「行かなくていいならここで待ってたいぜ。」
「いやそりゃそうにゃ。俺ら高所恐怖症ではないけど落下恐怖症ではあるしにゃ」
「逆にキョウは怖くないのー?」
「怖い!だけど魔物と戦ってる途中に覚悟ができないまま落ちていくのは嫌じゃない?」
「そりゃまあ嫌だぜ。…………だけど怖いものは怖いんだよなぁ」
「わかった。じゃあヌーンと一緒に待ってて」
「キョウ、気を付けてにゃ。」
クローズからヌーンを解放する。
蒼の竜にジンとマル君には移動してもらい、イヴには私一人のサイズになってもらう。
「さ、イヴ行こうか。」
「敵が出たら叫べよ。すぐ行く…………と思う」
「そこは確信をもって断言するにゃ」
「あんまり頼りにはしないほうがいいねー」
「うん。まあ大丈夫でしょう!こんなところで死ぬ器じゃないから!ドラゴンをあまり舐めないように!」
それだけ伝える。
イヴの巨大で長い角につかまる。
その次の瞬間。体の角度が90度変わる。
少しの浮遊感と胃が浮き上がる感覚が私を襲った。
すごいすごいすごい!全然怖くない!!
さっきのジェットコースターで落下恐怖症克服したかも!
これで、できることがまた増える!
【悲報】3章の終わりが見えない。




