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27.自意識過剰と真っ暗空間

「あああああああなんらんらこおじごくは!」

「ちょっと鼻ふさがれてるから何言ってるかなんとなくしかわからん!」

「ちょちょ!足もつれるにゃ!キョウの歩幅と絶望的に合わないにゃ」

「しょーがないじゃん止まるとバランス崩してもう絶対立てない!」

「じゃーしゃーないよねー」

「あと、もう少し!なはず……」

「せめて確信をもってくれえええええ!」


 えー、非常に騒がしいけど弁明させてください、まわりがうるさすぎるのです!

 これくらい騒いでおかないと真後ろの人の声が聞こえない。

 紫雷が轟いて爆発音とともに耳を揺らす。

 本当に土埃が邪魔すぎる!

 目も痛いし口の中に入ってじゃりじゃりするし鼻に入るとくしゃみが出そうになる。

 あんまり見えないけど雷がたくさん落ちてるところにだいぶ近づいてきた。

 足場が安定しない中走り続ける、ただ前へと進む。

 

「あ、やっべ」

「キョウ?!」

「にゃ!!」

「どーしたのー?!」

「こ、転んだ!!足場のせいで立つのが難しい」

「俺はマルトに鼻をふさいでもらってキョウに手を引いてもらってる」

「私はーマルトに背負ってもらって目を閉じてほぼなんもしてないよー」

「んん?どういう流れかわからないけどにゃ。キョウも頼っていいのにゃ。」

「ジンの手ー!つかまってー」

「そこは俺が言うとこだろ、ほら」


 手が差し伸べられる。

 ああ、転んでもいいんだ。

 助けてくれる仲間がいるんだからね!


「ええい!もっかい走るよ!このままゴールまで直行だあああああ!!」

「その調子だにゃ!キョウは馬鹿なのが一番にゃ!」

「マル君はあとでノすね!」

「んんんんなんか聞こえてないのに何言ってるかわかるきがするにゃ」

「マルト死んだな。あいつはいい奴だった!」

「キョウ選手ー!走り出しましたー」


 自分が出せる最大速度で走る。

 こんなところいられるか!私は帰らせてもらう!!

 今死亡フラグとか思ったの誰だよ、私死なないから!仮にも最強生物ドラゴンですから!

 見えた!あれ山の入り口でしょ!


「おおい浮いてるんだが?!?!どんな速度で走ってんだ足折れないのか??」

「いやもう私が強すぎてすみません!」

「自意識過剰ー!もはやマルトごと浮いてるから振動なくなったんだけどー」

「あああアイにゃ!ちゃんとつかまらないと落とすにゃ!いやまあ落ちてもいいにゃああああああああ首絞めんな殺すにゃ!」

「お口が悪いですわよ!」

「ちょー、その野太い声でお嬢様口調は無条件でツボるー!」

「ああああ笑わせんな、」


 山の入り口に頭から突っ込む。

 待ってこれどうやって止まるの??

 

「アッアッちょっとだれか止めて」

「待ってあれコアじゃねえか?!」

「キョウ選手、コアに一直線ですにゃ。ジン選手、頑張って止めてくださいにゃ」

「リレーの実況風ー、待って状況見えないけどもしかしてやばいー?」

「おおおおおい暴走機関車止まれえええ」

「私に運転を任せたのが間違いだった!」


 コアの色は雷と同じ紫。まがまがしいオーラをまとってぱちぱちと帯電してる。

 もしかして:触ったら痛い?


「もしかしなくても:そう」

「なに自己完結してるのー??止まって止まってー!」

「あああああああ俺らの死因は壁に頭ぶつけて死ぬなんだあああ」

「にゃあああ、あ、ああ?」


 コアに激突する。その瞬間私の見た目は一瞬骸骨に…………とはならなかった。

 山の中だったから土煙にまみれてもあくまで白岩の体を保っていた景色。

 しかし、コアと私の鼻先が触れた瞬間目の前が黒色になる。

 転移時以外でワープしたことないけど多分ワープするみたいな感覚だった。

 一瞬の白飛びの後に景色が変わる。アニメに出てきたワープするときに似てる!気がする!

 というかちょっと待って感動してる場合じゃなくないか?

 一面真っ黒の世界、そこに現れた私たち。なぜか始まる自由落下。

 これは地面isどこ案件。


「ままままっまま待って!!落ちてる!?!落ちてるよね?!」

「アイ手離さないでほしいけど耳からは離してほしくもあるにゃ!この複雑な気持ち!もしかして恋にゃ?!」

「だまれ気狂いー!てめぇに恋されたらおぞけが走るわー」

「なんか、自由落下すること最近多くね?俺今から悟り開くから後は頼んだぜ」

「カオス、カオスすぎるよこれは!」


 ええい一か八か!

 腰のベルトから小瓶を一つ抜き取る。

 紅くて美しい瓶に封じられた魔力、間違いなくこれは求めてたの!

 瓶の栓を口を使って抜き取る。行儀悪くないから、片っぽの手がジンにふさがれてるせいだから!

 現れたのは紅くて大きくて世界一かっこいい私たちのドラゴン。


「きゅう!」

「いきなり呼び出してごめんねイヴ!ちょっと助けて!」

「きゅううう!」

「その手があったかー!『我々はー、病めるときもー、健やかなときもー支え合おうー。魂の契りの名にかけてー。』」


 顕現したイヴは落下する私とジンを掬って背中に乗せる。

 やばい、かっこいいのに助けた後に褒めてーってアピールしてくるうちの子可愛すぎないか?!

 あ、マル君もアイ竜に救出されてる。


「イヴありがとう!」

「ほんとに助かった……キョウもナイス判断だ」

「というかいつの間にマル君と手離したんだね。」

「まあ地面が出てきたときに手つないだままだと受け身とれないしな、」

「私と離さなかったのは?」

「…………そういう気分だった。おおいニマニマしてこっちみるのやめろ?」

「あははー、あっちはあっちで楽しそうだね」


 マル君とアイのほうね。


「ちょちょちょ助けてくれたのはありがたいにゃ!腕千切れるにゃ!」

「こっちのセリフだわーマルト重すぎー!離していいー?」

「やめてにゃあああああ」

「…………合流しておこうか」

「それがいいと思うぜ。」

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