23.振りとジェットコースター
騒がしすぎる朝を過ごした私たちは件の暴走コアを潰しに行くことにした。
ポータルがあるという風呂の更に上の階へ向かう。
「ねえー、キノコ様ー」
「なに笑上戸」
「あの薬何入れたのー?」
「…………ゴーヤと」
「リブロ、こいつは悪用する可能性があるから教えない方がいいぜ」
「そうね、復讐されたら敵わないわ」
「なんでこっち見るの??」
「さっきしてやられてたじゃない」
「確かにそうだけどね??」
「………………」
「マル君はなんでジンにガン飛ばしてんの?誰彼構わず威嚇しないの!」
「はいにゃ……」
何段階段上がったのか。
途中で部屋もあったけど用途もわからないしリブロちゃんがスルーしたから関係ないんだろう。
謎にサイバーチックな部屋に着いた。
「ここよ。操作ルームは別にあるから少し待ってて。」
「わかったにゃ」
「いい?何も触らないのよ?できることならここに立って動くこともしないで」
「振りかにゃ?」
「違うわよ!本当にシャレにならないからやめなさい!」
立っててと言われたのは雑に書かれた魔法陣もどきの中心。
ふにゃふにゃの線は全然魔法の光とか放たなさそうだ。
まあ大人しくそこに立つ。
リブロちゃんの目がガチだったから三人の手は捕縛してある。
安心したようにクソデカため息を吐いたリブロちゃんは下の階に降りて行った。
下の階ってことはさっき見た用途のわからない部屋かもしれないなー。
あ、ちなみにイヴとかヌーン、グリモアも回収してある。
イヴとヌーンは夜のうちに何かあったのか朝は機嫌よさげだった。
クローズするときも不思議な鼻歌?みたいなのも歌ってたもんね。
メロディーも元の世界では絶対ないようなやつだけどきれいで、時間あるときに聞いて覚えれたらいいなーって感じ。
「…………キョウ、いつまで手つかんでるつもりにゃ?」
「だけど離したら暴れだすよね?」
「俺たちそんなに信用ねえか?」
「今までの行動見返してからもう一回言ってみ」
「………………俺たちそんなに信用ねえか?」
「もういっかい言いやがったこいつ!!」
「まあまあーキョウもそんなにピリピリしないでー手の力抜いてー」
「力抜くと振り払って暴れだすよね?…………私はかわいいものとかわいいものにしか屈しないから。」
「…………!キョウ……」
嫌な予感しかしないんだが?
「何?」
「お願い、離してにゃあ」
「…………クッッッソ!かわいいいいいいなぁぁぁあ!」
「めっちゃためるやんー」
「可愛さに屈してるぜ」
「あれですからね?ここで暴れだしたら私からの信用めっちゃ失うってことだからね?ちゃんと考えて行動してね?というか動くな」
文句言いながら手を離す。
すると、予想通りアイがぴょんぴょんと跳ねてマル君がしゃがんで魔法陣を気になるというように触りだして、ジンは言っていた通り何もせず私の肩に肘を載せてくつろぎ始めた。
「…………アイ、マル君?私が言ったこと覚えてる?」
「あ、」
「怒こってるにゃ?」
「ここ、精密機械あってもおかしくないよね」
ニコリとする。
いやいやー怒ってるわけないじゃないですかー。
ちょこーっと、ちょこーーーっとしかね?
「リブロちゃんに言われたよね?ここに立って動くこともしないでって。」
「にゃ…………」
二人がこんな狭い部屋で走って暴れる前に止めてよかった。
そんなこんなでバカやってると、天井付近についていたモニターがジジッて音を走らせる。
もうモニターくらいじゃ驚かない。
この部屋たしかに気になるのがわかるほどパソコンとかあっちの世界の器具が多いから。
まあそのモニターにリブロちゃんの顔が映し出された。
『あ、あー聞こえてるかしら?』
「おおー、聞こえてるよー」
『それはよかった…………銀髪?そいつらの手離したの?』
「あ、えっと……ごめん」
やべ手離したままだった。
まあもの壊したりはしてないはずだから大丈夫でしょう!!
『まあいいわ。こっちの準備は整ったからそっちも心の準備しなさい?』
「え、心の準備って何を」
『この車両はあと10秒で発射いたします。安全ベルトを着け、安全レバーをおろして席に座ってお待ちください。』
謎なアナウンスが終わった直後、魔法陣が書いてあった床が音を立てて開く。
上に立ってた私たちはもちろん落ちるわけでして。
心臓がひゅっとしたけど落下距離は全然短くてすぐに床にぶつかった。
落ちた先は椅子でとりあえずアナウンスが言ってた通りに座る。
ちなみに前は私とジン、後部座席がマル君とアイだ。
さっき車両がどうのこうの言ってたけどとりあえずは動くんだろう。
マル君とアイとジンもそれくらいはわかっているのか、おとなしく席について横についてた黒いシートベルトを着用した。
「銀髪!隣座るわね!!」
操作を終えて階段を駆け上ってきたのか少し息が切れてるリブロちゃんが私とジンの間の席に着く。
慣れた手つきでシートベルトを締め、安全レバーを下す。
それを見て後ろにいたマル君も安全レバーをおろした…………ような音がした。
「さあ、私の主は遊び心ばっかりなんだから、覚悟しなさいよ!」
『3,2,1。発射』
そんなアナウンスとともにのろのろと上へあがり始めた車両(?)。
もう嫌な予感しかしない。
あれに乗るときのほかではあまり体験することがないドキドキ感。
上に上るにつれ、心臓が嫌な音を立て始める。
ああ、だから嫌いなんだよ!!
塔から顔が出る。うん、いい景色だね!!
「舌嚙まないようにね」
「ジェットコースタぁぁっぁあぁあ?!」




