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【連載版】お前を生涯愛することはない──当然ですわ!  作者: 昊ノ燈


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24/26

24 文官と騎士は、ナタリアを探す。

 ◇【ポール・トールテサイッツ】


「えっ?ナタリア嬢が行方不明」


 早朝にもたらされた報告に、私は動転した。教えてくれたのは、女性文官の集団。昨夜、宿泊所に帰ってこなかったらしいのだ。

 砦付近では、騎士に加えて文官までとなると、宿泊できる施設が足りない。その為、下級騎士と男性文官の殆どはテント暮らしとなっている。同じ場所に派遣されているとしても、宿泊場所が離れていては、どうしてもナタリア嬢にめが届いていたかと言えば、届いていなかったとしか言えない。まして昨日は、書類の取り纏めに手こずり、夜食も一人で手早く済ませてしまった。


 後悔した。

 正直、自分でも理解していたのだ。自分の任務は、第二騎士団を、フレイマン・トレンディウスの素行を調べる事だと。今している監察や事務書類なんて、宰相閣下が名目上に付けたダミーの仕事なんだ。

 でも、でも、自分はそのダミーの仕事に没頭してしまっていた。いや、本当の任務から逃げる為に、そっちの仕事に没頭するフリをしていたんだ。彼女に任せっきりで…………。


「情けない」


 自分に対して言葉が漏れた。



 ◇【カーライル・ハイデンマルク】


 やっと鼻の下の真っ白い青ぞりの跡も無くなり、小麦色一色の顔になったので、ナタリアに会いに行こうとした時だった。

 一人の伝令が走り込んできた。


「えっ、ナタリアが行方不明?」


 伝令の言葉が信じられなかった。

 伝令によると、先日の昼過ぎからナタリアを見た者がいないということ。

 信じられるハズがない。ほんの数キロ先は隣国。それ以外は魔獣の存在する森だ。どう考えても、女性が一人で向かうとは思えない。


「第三の所に行ってくる」


 そうだ、あの女に汚い第三に連れ去られたに違いない。奴等は昨日も来ていた。可憐なナタリアを見初めて連れ去ったんだ。

 クソッ、ナタリアは俺に会う為にこんな前線まで来てくれたというのに、俺は何しているんだ。避けるような真似して……。自分は何をしているんだ。結婚の事だってそうだ、俺はナタリアを傷付けて…………。


 第三の野獣共め!

 今、俺が助けてやるぞ!



 ◇【ポール・トールテサイッツ】


「えっ、ハイデンマルク副団長は、エサリア砦に向かったんですか?」

 第二騎士団の一人がそう教えてくれた。

 副団長は、ナタリア嬢の行方不明を聞いた途端、慌てたように第三騎士団のいる北東のエサリア砦に馬を疾走らせたらしい。


 そうか、彼は第三騎士団がナタリア嬢を拐ったと考えたんだろうな。確かに第三騎士団は、第二騎士団に比べて粗野な雰囲気がある。しかし、文官を拐ったりするだろうか?

 正直、カーライル・ハイデンマルク副団長がナタリア嬢を隠したのだと考えていた。でも、目の前の騎士が言う通りなら、彼は犯人ではないだろう。

 彼女の足跡を辿るために、聞き込みを続ける。


「ここだけの話にしてください。実は、尊師は、フレイル副団長補佐を調べていたんです。あっ、フレイマンです。フレイマン副団長補佐」

 女官の一人がコソッと教えてくれた。

 知ってる。トレンディウス副団長補佐に調べるのは、私にも与えられていた任務だ。やっぱり彼女は、任務を忠実に行っていたんだ。私が任務から目を背けていたばかりに……申し訳ない。

 それにしても、『尊師』って、何?

 彼女、宗教家なのか?

 歌手で宗教家な有名人?

 ますます彼女が分からなくなってくる。


「私たちも、尊師の捜索に協力させてください!」

 女官達が集まってきた。

 また『尊師』?

 本当に彼女は何者なんだ?

 それについて聞いてみても、誰もが言葉を濁して答えてくれない。ちなみに、同じ文官でも、男達は『尊師』という言葉すら聞き慣れないみたいだ。

 取り敢えず、皆で情報収集にあたる。


「一人で、砦付近の魔獣の調査をしていましたが、見ていませんね」

 フレイマン・トレンディウス副団長補佐は、そう言った。

 彼の口調からは疑わしい様子は無く、調査報告書もちゃんと提出されている。

 魔獣が存在する森の付近の砦だから、人が増えた事による魔獣の動向調査は、必要な仕事であるし、隣国の斥候が出入りしている可能性もある。彼の行動は正しい。

 でも、いや、だからこそ、彼女が彼の後をつけた可能性が高い。そう思う。


 第二騎士団の協力を得て、ナタリア・ブロッサムス嬢の捜索が本格的に始まった。



 ◇【カーライル・ハイデンマルク】


「オラァ、お前らがナタリアを拐ったのは分かってんだ!出せオラァ」


「な、なんだ?第二騎士団のカチコミか?」

「ハイデンマルクが殴り込んで来たぞ!」

「ハァ、なんだ?敵襲か!」


「オラオラオラァ。第三の野獣共がぁ、ナタリアを出せぇ」


「ヤバイ、あいつ目が行っちゃってるぞ!」

「一体全体なんなんだ?ナタリアって誰だ」

「誰かアイツを止めろぉ!」


「誘拐犯は何処だぁ。出せオラァ」


「誰か止めてくれぇ」

「アレはもう人間じゃない」

「ナタリアなんて知らねえよぉ」


「オラオラオラオラオラオラオラァ」


「誰か団長を呼んできてくれ!」

「探せ!探すんだ!ナタリアって奴」

「ナターシャなら、いたぞ」

「違う、ナタリアだ。ナタリアを探せ!」


「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ」

【昊ノ燈】と申します。


読んでいただき、ありがとうございます。

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