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【連載版】お前を生涯愛することはない──当然ですわ!  作者: 昊ノ燈


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20/26

20 ポールさんは困ってる。

すいません、明日、明後日は投稿できません。

息子の夏休み最後の連休なんで⋯⋯⋯⋯

 私の名前は、ポール・トールテサイッツ。

 宰相補佐官の一人。

 普段は王城の宰相補佐室で書類整理に追い立てられているのですが、何故か王城から遠く離れ、国境付近の砦に来ている。

 そう、私とナタリア嬢は、物資補給部隊に混ざって前線へと赴いていた。


 同僚達は、地獄から抜ける私に向かって呪言めいた言葉を発していたが、聞かぬふり。ナタリア嬢と一緒の任務ということで、妬む者もいたし、言祝ぐ者もいたけど、それも無視。


 だって、彼女は…………。


 不安はある。

 一つ目は当然だけど、自分に調査なんてできるのか?という事。学園を卒業し、文官試験を突破して文官になった、生粋の文官である自分だ。だから良いんですよと、宰相閣下は言っていたけど、無理でしょ、普通。


 もう一つは、ナタリア嬢の事。

 第二騎士団副団長であるカーライル・ハイデンマルクの元彼女だったという彼女は、どういう行動をとるのだろうか?どういう気持ちになるのだろうか?

 カーライル副団長が、よりを戻そうと迫ってくるかもしれない。元々付き合っていた二人。そうなくても前線だ。そう、よりによって前線なんだ。

 ほら、吊り橋効果ってのもあると聞く。

 こんな非日常で不安定な前線で、焼け木杭に火がついたりしたら…………。いや、私と彼女は何の関係もないんだけど。


 宰相補佐室には、様々な書類が届く。そこには、決算済みの書類もある。そこで稀に記載されている〝春代〟。所謂、娼婦派遣費用だ。騎士が常時駐屯している砦などであれば、いつの間にか近い村や町に娼館ができているという事もあるけど、前線ではそういう施設は無い。文官には分からないが、どうも常に緊張を強いられる前線の騎士というのは、性欲が増す傾向があるようで、〝春代〟が認可される前は、村を襲って⋯⋯なんて事もあったそうだ。そんな野獣の匂いを醸す騎士達の中にナタリア嬢のような見目麗しい女性が入り込んでしまったら…………。はたして自分に彼女が守れるのであろうか?

 そう言えば、第二騎士団は他の騎士団に比べて〝春代〟が少なかったはず。今回の件に関しては、予算申請すらされていなかった。



「おっ、監査殿。業務とは言えこのような所まで大変でしたな」


 声をかけてきたのは、エンリケ・ボラックス第二騎士団の団長。熊のような体躯の武人だ。厳つい見た目に反して、気さくな初老の男性。

 ボラックス団長に案内されて、砦の庶務室に向かう。そこで、派遣されている財務室管理、兵站補給部隊管理者達と合流する。

 私の今回の立場は、宰相室監査となっている。前線での資金、物資、戦場倫理の監査を行うのが仕事。


 その後、第三騎士団の副団長とも合流し、前線の状況の確認と宰相閣下からの書簡を渡す。

 第三騎士団は、この砦よりも北東のエサリア砦に駐留している。隣国よりの侵攻路の正面に第二騎士団、挟撃できる山間部の小砦に第三騎士団が詰めている形だ。

 第三騎士団長は、エサリア砦で睨みを効かせている為に、副団長がこちらに来ている。

 守りの第二騎士団、遊撃の第三騎士団といわれる通りの布陣だ。


 一通りの案内を受け終わり、派遣されている他の女性文官達と話をしているナタリア嬢に目を向ける。


 知り合いかな?やけに話が盛り上がっている。女性文官の一人が何やら鞄からノートのような物を取り出して、ナタリア嬢に渡す。そのノートの背表紙に何か書いたナタリア嬢は、またそのノートを女性文官に返す。女性文官は、嬉しそうにノートを抱きしめ、鞄にしまう。それに続いて、別の女性文官もノートを出している。



「いやぁ~、サイン求められちゃいました」


 サイン?

 婚約届?──違う!

 彼女は、歌手がなにかでもしてたの?

 有名人?

 そういえば宰相閣下は、彼女を『キシャサン』と言ってた。その関係なのか?


 意味不明と顔に貼り出しながら視線を向けると、ナタリア嬢はホクホク顔で話続ける。


「彼女たち、貧乏クジで前線に派遣されたと思ったら、早めの聖地巡礼な気持ちで志願して来たんですって。ここが舞台になる程、面白い話があるかなぁ」


 聖地巡礼?

 意味不明な単語が出てきたけど、とりあえず、笑顔で答えておく。

 聖地巡礼──この砦、聖地だったの?


 多少の疑問は残るけど、砦内の生活はそれほど辛いものではなかった。というより、寝る時間もあるし、三食取れるので、普段よりも快適でさえあった。


 騎士団自体というと、第三騎士団は想像通りで、男臭く、騎士ながらも粗野で、しばしばナタリア嬢に胡乱な目を向けてくる事もあった。ナタリア嬢によると、夜の誘いも数回受けたらしい。断ったらしいけど。

 対して第二騎士団は、不思議なほど紳士的だった。

 愛想が良く、細かい所に気が届く。しいて言うなら、高級なレストランの従業員のような気配りみたいな。


 あまりにも違い過ぎる二つの騎士団に、言いようのない気味の悪さを感じた。

【昊ノ燈】と申します。


読んでいただき、ありがとうございます。

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