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【連載版】お前を生涯愛することはない──当然ですわ!  作者: 昊ノ燈


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14 第二王子のご乱心

 週末は、イリヤ様と一緒にミラ様の所に泊まらせてもらい、たっぷりと萌えを充填させてもらった。

 今日から始まる一週間も頑張ろうと、意気揚々と王城に向かう。


 ゾンビ育成工場と人に言われる職場の前で、ちょっと一息。多分、この扉の向こうでは、週末も休み無く働き続けたゾンビ達が光の無い瞳で書類の海を泳いでいるんだろうな。

 もう一度、息を大きく吸って、にこやかな笑顔で、扉を開ける。


「おはようございま──へ?」


 いつもと誓う風景。

 座っているはずの宰相補佐官の皆さまが、立ち上がり、扉を開けて入ってきた私を取り囲んでくる。


「えっ、何……が?あったんで…………すか?」


 皆さん、意外と背が高かったんだ〜、なんて逃避に向かいたがる自分の意識を、質問によって、フラットに持っていこうと試みる。

 そんな中、いつもの補佐官さん。ポール・トールテサイッツさんだったかな?が、一歩前に出てきた。


「大丈夫だったか?」


 その声で、皆さまが自分を心配しているのを理解した。そんな皆さまの向こうには、寄り添うように佇む、『(玉の輿の為に)補佐室の皆さまに奉仕し隊』のメイドの皆さん達。


 何が起こっているのかを聞いてみると、クレイシュ・フォン・デ・サイハンディス第二王子殿下がご乱心めされたのだとか。

 この間、一週間程前に御結婚されたばかりの第二王子がご乱心?

 何?

 刃傷沙汰?


「急にお尻を揉まれたんです」

 一人のメイドさんが、震える口を開いた。

 それを皮切りに他のメイドさん達も口を開き始める。

「私は、胸を」

「いきなり羽交い絞めされて、やらせろって」

「私も」

「私も」

「私も」


 どうも、話をまとめると、結婚したばかりの第二王子殿下が、セクハラをしまくっているようです。いや、胸を揉んだり、押し倒す寸前までいって、既に性犯罪?


「それで、その第二王子殿下は?」


「城外に逃走したところで捕まって、執務室に監禁されてる」


 ああ、なるほど。

 私は、読者の一人からもたらされた話を思い出した。既に私は、一部の貴族子女、識字できる比較的裕福な平民の一部に〝白と青の出版〟の作家と知れていて、少なくない情報提供かなされているのです。彼女たちは、思いも寄らない立場の方や、理解不能の情報網をもって、日々、新しい作品のヒントを与えてくれている。

 その中にあった、第二王子殿下の初夜の様子。


 第二王子殿下は、王子妃になられるキャサリン様に新婚初夜に言っちゃったらしいのです。『お前を生涯愛する事はない』って。



 ◇


 キャサリン・トレンディウス様は、幼い時から、クレイシュ第二王子の婚約者となるべく、厳しい王子妃教育を強要されてきたらしい。

 普通なら公爵家か侯爵家から選ばれるところ、条件に合う者がいないということで、上級貴族の末端である伯爵家から選ばれたという誉れある奇跡。

 キャサリン様は、泣き言一つ言わずに、いつの日か王家の、ひいてはクレイシュ様のお役にたちたい一心で──それはもう、厳しい厳しい厳しい毎日を過ごされていた。


 そして、待ちに待った成婚の儀を恙無くこなし、遂に訪れた初夜。


 緊張した面持ちのキャサリン様に、クレイシュ様が告げられたお言葉は、『お前を生涯愛することはない』ですって。


『イヤです!』

 キャサリン様は、即答されたそうです。


 当然でしょ。友と遊ぶことも、いや友を作ることも、青春も、全てを犠牲にして、本当に厳しい教育を受けてこられたんです。

 そんな言葉を黙って受けられる筈がないんです。


 クレイシュ第二王子殿下の気持ちも分からなくもないかもしれません。確かに、キャサリン様は、厳しい教育を受け続けるだけで、クレイシュ様とお二人の時間をとることすらできなかったかもしれません。つまりは、愛を育む時間なんて無かった、というのは分かります。でも、貴族同士の婚姻です。政略なのは当然です。でも、そこから愛を育んでいくのが筋ではないでしょうか!


 当然ながら、キャサリン様の王子妃教育の中には、閨教育もありましたでしょう。

 経験のない、男性の裸体すら見たこともない、知識だけを詰め込まれた少女が、どんな気持ちで寝室で待っていたのか──分かりますか?


 そんなキャサリン様を前にして、『お前を生涯愛することはない』なんて…………。


 その侍女は、怒りと悔しさに震えながら、私に教えてくれました。

 それから、何かあったのでしょう。

 キャサリン様は、あのフレイマン様の妹君。

 あのフレイマン様の妹君なんです。



 ◇


 それから、第二王子殿下の行動は、近衛騎士さん達によって管理される事になりました。当然、行動範囲も限定される事になります。

 宰相補佐室としては、各所に通達を出し、第二王子殿下の目に入る所に、年若い女性の使用人を置かせず、超高齢(大ベテラン)の使用人で固めさせるようにしたそうです。

【昊ノ燈】と申します。


読んでいただき、ありがとうございます。

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