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【連載版】お前を生涯愛することはない──当然ですわ!  作者: 昊ノ燈


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12/26

12 色のある世界は素晴らしい

お盆休みです。

休み中も投稿出来ればとは思うのですが、

できなかったらスイマセン。

「うぅわっ、なにこのお肉。ナイフなんていらないみたい。このパテも何なんです?複雑に味が絡まって、バケットにあわせたら、口が幸せすぎます〜」


 一口毎に笑顔が溢れてしまう私に、ミラ様も『久しぶりのお客様だと、料理人が気合いを入れ過ぎたみたい』と、笑顔を溢されていた。私の横では、イリヤ様も一口毎に感嘆を溢されている。嬉しそうに咀嚼する度にキラキラとした淡い緑の髪が揺れるのを見ると、ついつい頭をナデナデしたくなる。これで人妻なんだよなぁ。


 ふと見ると、給仕をしてくれるメイドさんの後ろから、料理人さんがこちらを覗き見ながら(こぶし)をグッてしてる。自分の料理を皆が美味しそうに食べてるのが嬉しいんだろうな。

 考えてみたら、そうかぁ。いつもは、ミラ様だけなんだもんね。メイドさん達の賄いとかがあるとしても、本当の腕をみせるべき主人はミラ様だけ。当主であるカーライル様が居れば、お客様が来ることも頻繁でしょうし、ご夫妻が揃っていれば、茶会も他家を呼んで、広く行う事もできたでしょう。

 そうなんだよね、当主が帰ってこない邸で、女主人がお客なんてそう呼べないし、お茶会だって開けない。精々、私とイリヤ様を呼ぶくらい。ミラ様も可哀想だけど、腕を振るう場を与えられない料理人さんも可哀想だよね。そりゃあ、拳を握ってガッツポーズもするわ。分かる。

 それにしても、そう考えるとカーライル様は罪深いわ。あ、私も原因の一つだったから、ごめんなさい。



 ◇


 食事が終わり、デザートもいただいたというのに、焼菓子を摘みながら会議(女子会?)が始まる。

 役割りは、こうなってます。

 ミラ様 ︰オーナー兼社長、編集長

 アンさん︰会計、印刷等外部折衝

 イリヤ様︰絵師

 私   ︰作家

 校閲に関しては、皆んなで回し読みしながらチェックチェック。


「ブチャリット印刷所からです。今までは黒の一色刷りでしたけど、他のもう一色を使った二色刷りが可能との事」

 抑揚のない声でのアンの報告。


「えっ、色が付けられるの?」

 開いた両手を口の前で合わせながら驚くイリヤ様。あざとい。どことなくあざといけど、可愛い。


「それよりも表紙のフルカラーはどうなっているのです?」

 冷静な感じで、以前より要望を出している件について口にするけど、その口元はちょっとへにょってる。

 嬉しいよね。色が一色増えるんだよ。嬉しいよね。


 それから、どのように二色刷りを使うか喧々囂々(けんけんごうごう)意見が繰り出されたのですけど、大きくは二つの主張。

 一つ目は、アンさんが言う価格の話。二色刷りのページは、当然価格が高くなる。一色刷りのページに比べて二倍から三倍に上がるらしい(色の種類や量、細かさによる)。

 二つ目は、イリヤ様のトキメキ。今まで、何とか一色だけで描いてきたイリヤ様。人を縁取りだけで表現する技法で描いていた。当然、髪の毛も瞳も全部白色がベタ塗りの二種類。本人的には不満があったのだろう。どうするかよりも、何色にするかで悩んでいる。


 最初はアンさんの意見の方が強かったけど、潮目が変わったのは、思い悩んだイリヤ様がラフスケッチをしだしたところから。


「えっ、それ、フレイマン(仮)様とカーライル(仮)様のあのシーンよね。初絡みの」

「あ〜〜、このシーン、反響が凄かったわよね」

「ええ、このシーンでフレイマン(仮)様の瞳だけでも色が変えられたら、どうだったかなぁって」

「と、尊い…………」


「アン、絵の具あったでしょ。直ぐに持って来て」

「はい、お嬢様。黄色ですね」

「いや、赤色よ」

「絶対、黄色です」

「いや、青色というラインも」

「取り敢えず、何枚か描いてみるので、一番良いのを選びましょう」

「「「賛成!」」」


 結局、赤色が一番しっくりときた。

 見つめ合う二人の瞳の一部に赤のポイント。そして、まさに今、口を合わせたかのような艷やかさを醸し出す赤いリップ。

「逆に使う面積を絞る方が、視線を誘導できて良いみたいね」

 ミラ様の一言で結論。

 でも、あれほど価格価格と言っていたアンさんまで一緒になって萌え上がっている。役割は役割として、言わなければならない事は言った上で、一緒に気持ちのまま盛り上がれるなんて、イイなぁ、こんな関係。

 ザ.仲間って感じ。



「で、次の議題ね。夏を前にして、ちょっとホラー感を出した作品が欲しいの」


 待ってました。

 そろそろ、そう言うと思っておりました。準備しておりますよ。はい、ちょうど準備ができております。

 私は、原稿用紙の束達から、目当てを取り出す。

「これなんか如何でしょうか?まだ、聞き込みをした内容を一本にしただけで、半分以上ノンフィクションかもしれないんですが、これで良かったら、もう少しフィクション部分を増やそうと思います」


「これは、イリヤさんのところの話ね」

「はい、イリヤ様には既に了承をいただいています」

「はい。私も知らなかった事まで調べてくださって、ありがとうございます。でも、やっぱり名前は──変えてくださいね」


「当然です」


 当然の如く、全員の名前は少しイジっている。フィクション作品という事になってるからね。でも、少し考えれば、現実にリンクしてるって分かる、ギリギリのところを攻めている。

 例えば、カーライル様は、カイラル様。フレイマン様はフレイル様って感じで。



【昊ノ燈】と申します。


読んでいただき、ありがとうございます。

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