第八話:ウォン・シン=エン:
ルーク・グラディア=ハートは勇者達に支配された
ハート領の解放の為に戦士バラン・ハーゲンを倒し
アスカ・ハンスを説得し村を取り戻すしかし
そこにハン・リュウドウの姿は無く再び彼を
探す為に大猫商店へと帰るのだったそして件の
ハン・リュウドウは馬車で海船都市ミナトバへ着き
サン国の王ウォン・シン=エンの命により
ミナトバに勇者の拠点を建設したいという書を
ミナトバ領オオナミ・タキ=ロウに突きつけていた
「別に断るのは勝手だが王がどのような
行動に出るかは僕にも分からない、なんせ相手は
深淵王ウォン様だただ僕も今はコチラの国の
派遣勇者なんだ拠点さえ建てさせてくれれば
君達のささやかな平和を守り切ると約束しよう
急ぐ必要は全く無い王へは待ってくれるように
話しておくよか心良い返事を期待している」
ハンは軽やかな部屋を出軽やかな足音で去ってゆく
「領主様深淵王を怒らせるべきではありません
希望を持って彼に建設許可を出すべきです
深淵王よりは勇者様の方が話しはわかる筈です」
話し合いに参列していた騎士団隊長補佐が進言する
がロウ家執事のサイ・ンコ=サインが遮り話す
「しかし旦那様、深淵王が相手だとしても恐怖で
領地を自由にさせるべきではありません、
今一度考えこの国を守るべく決断をしてください
この海船都市ミナトバは幾つかある国防都市の一つ、
彼等の自由にさせればいずれこの国は彼の地の
植民地と成り果てます、そうなれば未来ある若人達は
苦しみこの国を捨てる決断をするやも知れませぬ、
私はそのような国に未来があるとは思えません」
オオナミ・タキ=ロウは少し迷い
「前虎後狼、我々には機を待ち話しを伸ばす
事しか出来ない、情け無いとは思わんかね?」
ザワついた空気がぴしゃりと静まる
誰もそれに対して答える事も受け入れる事も
出来る者がいないのだ、皆が深淵王に恐れている
それだけは皆が同じように感じている事なのだ
そんな時扉がバタンと開き騎士隊員が入ってくる
「そんなに騒ぎどうした、会議も終わり
話しをまとめてる最中だ静かにして欲しい」
騎士隊員はびしッと敬礼し
「失礼しました、先日死亡したと思われていた
ミチナミ・タキ=ロウ様がハート領グラディア街
領主としてアスカ・ハンスとともに街を奪取し
新領地オオネコ領として独立すると手紙が届き
今大急ぎで本物であるか調べております
街への偵察結果によっては我々も関係者として
協力を迫られるやもしれません、今件はサン国との
同盟締結に著しい変化をもたらすと思います」
騎士隊員の言葉にオオナミ・タキ=ロウは
あまりに多過ぎる情報と感情に膝から崩れ落ちる
「おお!大丈夫ですか旦那様」
執事がそっと背を支えるが断りゆっくりと
立ち上がり皆に話しだす
「ミチナミ・タキ=ロウ我が息子ながら
訳の分からないヤツだ、ヤツが生きてるならば
もう一度事件を調べ直す必要がでてくる
騎士団へ伝令を頼む数日前の事件を調べ直せ
もしかすると何者かの策略の中にいる気がする」
騎士団隊長補佐リドウ改めリ・グン=カンは
ギリッと歯を軋ませるそれに対して気づく者は
その時はいなかった、だが息子が生きていたとして
オオナミは同じ選択をする事になるそう思い
対して警戒もせず本国に伝えるのを忘れていたのだ
それが今後自分の首を絞める事になるともしらず
場所は変わりオオネコ領、領主邸屋上庭園にて
新たな領主ミチナミ・タキ=ロウとその上司
大猫商店店主とまた死んだ筈の元グラディア家次男
ルーク・グラディア=ハート奇妙な出自の者達が集まり
今後の話をしていたいや真面目に話してるのは
店主とルークのみでミチナミはというと
軽い西洋手品を皆に見せ上機嫌である
「私の教えをこうて、こんな仕上がりになったのは
コイツが初めてはたして何としたものか?」
そう皆さん気づいた者もいるだろう
俺達がバラン討伐の際に道案内をした忍者
それがミチナミ・タキ=ロウである
大猫商店の下部組織に忍び隊がおり
その部隊で国に帰る為に数日間鍛えられたそうだが
才能があったのか中々な技術を発揮し今回俺の
代わりに領地を預かり経営する事になったのだが
殆どは捕虜兼オオネコ家メイドとして働いてくれてる
アスカ・ハンスさんの仕事であるどうも彼女は
ハン・リュウドウには気になる部分があり
勇者という肩書き上信じていただけらしい
俺だけで無くミチナミさんの事件を聞き
ハン・リュウドウとは縁を切る事に決めたらしい
「どうした、ルーク君何か考え事かい?」
まぁこの飄々としたのが男爵として領主になったのも
何か運気のようなモノを感じるが案外大丈夫だろう
「いやミチナミさんのお父さんを助ける為に
次は漁場街まで行くんだろ確かミナトバだっけ?
そうなると食糧とか気になるなと思って
そろそろ買いに行かないとなってさ」
ミチナミがとんとんとバックをつつき言う
「食糧はもう昨日のうちに入ってる
話しがすんだら、当分ここには帰って来ない
故郷は楽しんでおいたほうがいい」
案外抜け目無いんだよなぁ、この人
て言うかいつ取って入れてきたんだ?
話をまとめるとサン・タンスから職人を集めて
海路でぐ〜ッとミナトバまで行き、
勇者より先に拠点建設許可を勝ち取り
サン国の策略をへし折る作戦だこれにより
彼の国の暗躍はコチラに向く筈そこからは
ある作戦があるから大猫商店に任せておけと
言われたある作戦とは何なのだろうか?
俺達はあれよあれよと言う間に船に乗り
海路でミナトバまでひたすら進んでゆく
空海月の群れとされを食べに来た浮き鯨が見れた
「あの巨体でどうやって飛んでるんだろう?」
ルルが言う話しによると浮き鯨の体内の奥
心臓部に飛行然石という者が出来、浮く代わりに
寿命が削られるが数百年単位で生きるので
長過ぎる寿命を有効活用してる理想形として
エルフ達には大切にされてるらしい
「ルルも浮き鯨好きかい?」
ルルは少し考えて話しだす
「本当のエルフは寿命を周りに合わせようなんて
考えてくれない、私は好きだけどあの人達は
多分浮き鯨を大切にしたりしないと思う」
じゃあ何でエルフが浮き鯨を大切にする
なんて話が出来たんだろうか?
「浮き鯨を大切にするのは多分ダークエルフの一族
人間の文化を受け入れて国の外に出て行った種族
その中からエルフの使った堕落の呪印により
異なる種族に堕とされたのがオーク達彼等は
エルフと異なる生き方を選んだのにエルフだけが
自分の文化に閉じこもって誰とも繋がって無い
私はまだ分からないけど、どちらが正しいのかな?」
う〜ん、難しい話じゃ無い筈だがいったい
どちらが正しいんだろうか?
「少なくとも俺は誰かに助けられ今があるから
繋がりを大切にしていきたいし、ダークエルフや
オーク達の選択は間違えてないと思うんだ」
ルルは少し考えてたどたどしく伝える
「私も彼等の選択を大事にしたいきっと
エルフからすると弱いけど、とても優しい
選択だから、私はいらんな種族がいていいと思う
みんな違ってぶつかって繋がってとても素晴らしい
世界の在り方だと思う、聞いてくれてありがとう」
しかしダークエルフやオークがエルフから
分岐した種族だったとはでも何でルルは
こんな話を知ってたんだろうかエルフの伝承とか
なんだろうか?追い出した種族に詫びたかった?
う〜ん、謎の多い子だなぁ、まぁとても良い子だし
気にするような事でもないか?さてもうすぐかな?
「あの船大砲構えてやがるみんな気をつけろ
近くに掴まって耐えろ直ぐに海戦準備だ」
甲板にいた見張り役の声に船長室にいたボス、
サンダース・ベイクド=モチョチョが出て来て
砲弾を【鉄皮】で殴り弾き海に落とす
「船寄せろぉオオ!!」
まさかのドリフトで敵に近づき大砲を撃ちまくる
「乗り込めぇええ!!」
船中の船員達が船に乗り込み攻撃する
「ぼうず、いやルーク!俺達はあっちの
船に乗り込むぞ気合い入れて乗り込め
強敵な予感がする勝機を逃すなよ」
俺達が乗り込むと巨大なオークが武器を構えて
突進してくる、両の鉄鞭で大鉈を叩き宙を舞う
コイツだけでも大変なのに何人も敵船員が
ぞろぞろと出てくる敵を良く見て拳銃を奪い
腹を撃ち周辺の敵に銃弾を数発撃ち込み的から
拳銃を盗むコイツら高くて貴族でも躊躇する
拳銃しかも多弾式をなんで持ってる、やはり
「コイツらハン・リュウドウの手の者か」
敵船員が減りコチラが押し勝って来た頃
船長と思わしき人物が出て来オークの首に
鎖を巻き付ける、するとオークが苦しみ
筋肉が隆起する、強化魔法か何かか?
「あるじ、あの人を止めて、奴隷紋で無理矢理、
オークを凶化させて操作しているとても苦しそう」
船長と思わしき男がルルに話しかける
「何だオマエも奴隷落ちか?優しい主人に飼われて
いるようだが、奴隷てのはこうやって使うのが
正しいんだよ、まぁ非正規だから高くついたが
コイツがぶっ壊れたとしても金さえ有れば
次の強い兵隊が手に入る、国の為主人の為に
死ねるんだ、光栄な事だろうさ、ぶっ潰せ!!」
オークが息を荒くし血管が浮き上がる
ボスがもう抑えきれなくなっている
苦しむぐらいならいっそ終わらせるべきなのか?
ただ操られてる奴隷を殺していいのか?
そんなわけが無い浅はかな理想かもしれないでも、
「どうすれば助けてやれるんだ」
そんな時リリスが語りかけて来る
「助けたいか確かに浅はかだが、誇るべき
意思である、両の手のリングソードに意識を
集中して呪い喰らい発動と唱えるのだオマエに
呪いを支配する力を与えてやろう心して使え」
今は彼を救う為にリリスを信じる
「呪い喰らい発動!!」
リングソードから血管に魔力が流れ込み激痛がはしる
それでも彼を救いたい鎖がオークに纏わりつく
ルルと同じエルフの系譜にいる仲間である彼を
もし俺達が出会わなければありえた地獄から
彼を…ベヒモス・バン=デルセンを解き放つ
「な、何が起きている!?」
力の奔流が力となり体内に激痛と共に広がり
新たな力となるスキル【獣神】を得た
気づくと身体が巨大に成長し黒い毛に覆われ巨大な
片角に鋭い牙と裂爪を持ち強い意志を宿した
赤い眼の獣人に姿が変化している本来なら
慌てるべきだが何故かこの姿は自分の選んだ
力だと理解出来るそして奴隷紋と堕落の呪印から
解放された彼はダークエルフとなり眠息をたてている
『確か国の為に死ねるのは光栄だったよな』
声に少し違和感が有るが問題無い
「何だそれは?何をした、何だその姿は?!?!」
スキル【怪力】スキル【俊敏強化】
【獣神】奥義【超加速大連打】
一瞬空間が熱を持ち複数の獣神が揺らぎうつる
そしてルークが過ぎ去ると遅れて打撃が発生し
力を使い果たし湯気が発生し元の姿に戻る
「ぐッ、コレ、滅茶苦茶疲れる、身体中痛い」
兎に角疲れた、数キロ思いっ切り走ったぐらい
疲れた、スキル【獣神】か使い時を考え無いとな
「なんかもう規格外に凄かったなルーク」
まぁ元オークの彼も助けれたし特に言う事は無い
多分コレだけ派手に暴れたから浜の方からも
見えてた筈だハン・リュウドウは逃したと考えて
間違いないだろう、使い時が難しいが
新たな力も手に入れたんだ焦る事は無い
その頃港ではハン・リュウドウが拠点建設の
白紙化の手紙をオオナミ・タキ=ロウに送り
馬車で次の目的地へと走り出していた
更にその手紙には今回の発案者はリドウであり
どうやら本国から逃げたリ・グン=カンである
というむねの書かれた手紙がオオナミ・タキ=ロウ
本人宛に騎士隊員を使い送られて来たらしい
何故リドウを巻き込んで逃げたか分からないが
リドウは様々な容疑もバラされたようで処刑が決まり
ミナトバから危機は去ったように思われるのだが
町民としては様々な謎の残る事件となったのだった
レオがお茶を持ちベッドの近くの椅子に腰かける
「やはり逃げたようですね、ハン・リュウドウ
リドウを調べようと自室に行くと舌を切られ
話せなくなった状態で見つかったようです
目を自分からそらしリドウに全てを押し付ける
為の作戦でしょうね聞ける情報も有りませんし
リドウは何も話さず国の為に死んだ英雄もしくは
物言わぬ罪人として消えて行くわけです、
何と言うか敵ながら哀れというかハンの心が
俺には分からなくなりました、ただの悪党なら
断罪を望まれ誰かがすれば良いでもこうしてる
時にも彼を英雄他国より現れた救世主として
信じている者達がいる…何なんだろう
アイツが許せないですよ俺は…」
俺にだって分から無いが確かな事がある
ヤツがした事を俺は知っているそして多分
俺は奴にとって天敵なんだ、だから必ず…
「アイツの心が分かるやつなんて異常なんだ
俺もハン・リュウドウが何を考えてるかなんて
全く分からないよ、きっと俺達とは何かが違うんだ
その上で何をしようとしてるのか突き止めなければ
誰も守れ無いたとえたいそうな理想があろうと
俺はアイツを捕まえてヤツの心臓に剣を突き立てる
最初からそう決めてたんだ、だから何がヤツに
あったとしても復讐し悲劇を終わらせる」
日が暮れてゆき俺達の長い一日が終わってゆく、
必ず、必ずヤツを、捕まえるんだ




