第三話:奥義皆伝の書:
仕事に間に合わすため朝早く顔を洗い歯を磨き
準備を済ませ武具屋にマントを取りに行く
お金は先に払ってくれてるらしいのだが
「おはようございます」
眠そうな目を擦りながら店の奥から
店員が出てきあくびを抑えながら
マントと留め具を持ってくるマントの首元に
穴がありそこに紐を通し留め具で固定する
「ここ両方押して引っ張ると締まります、
あと性能は良いけどあまり過信すると危険なんで
ちょいちょい修理に出してくださいね」
俺はさっそくマントを羽織り首元を整える
丁度膝ぐらいの長さで小回りも効き邪魔にならない
「凄く動き易いです、動きの邪魔にならない
のにちゃんと身体を覆って熱や寒さにも
対応出来そうだし凄いマントですよコレ!」
店員さんが照れくさそうに笑い言う
「いや、喜んでもらえて店員冥利につきます、
ハハハ…ここの留め具は自分が手作業で
作ってるんでかなり安く取り替えれますんで」
この難しそうな留め具を作ってるのか
店員さん器用だな、他の街で買えるのかな?
扉を開閉するとガランガランとベルが鳴る
じゃ道場までいって働かないと道なりに進み
大通り付近にプレハブ小屋がある扉を叩き入る
「おはようございます、今日はどうしましょう」
ボスは何か悩んでる様子だが
「特例だがダンジョンの清掃してみるか?
ちょっと危険だが冒険者として大成するには
ダンジョンに慣れておいて損はないからな」
どうやら投擲落としや丸太切りが上手く行った為
次の仕事としてダンジョンの清掃が入ったようだ
「それ是非やってみたいです」
俺が言うとボスは何やら言ってたが了承いただけた
ようである、多分危険だから新人を行かすか
悩んでくれたんだろう、ただ俺も少しなら戦える
ボスにつづき森の中心部まで来ると池があり
この先にダンジョンがあるようだ真っ直ぐ歩くと
洞穴が見えてきて行き止まりここからダンジョンの
ようである、辺りを見ながら進むと
冒険者が数人休んでいる、長期型冒険者のようだ
「何日頃ですか?」
う〜ん、とうなりぼんやりしてるようだ
「気をつけろコカトリスがいるみんな技をくらった
数時間は動けないと思う、すまない倒してくれ」
ええ!?自分がやられたのに新入りに言われても
困る、どうしよう探して帰ってからまとめる具合で
良いのかもしれない大丈夫だろうか?
俺は取り敢えずコカトリスの居場所を聞き
進む事にした生きてなんぼだ気をつけて生き延びよう
倒すためにダブルソードを取り出し用意して進む
『クェァ、クェァ、コココッ!!』
見た目は鱗の少し生えた鶏だが尻尾が蛇で
魔物は甲高いこもった声で鳴いている
周りの人達は身体の表面がざらついた岩に
なりかけてる者必死に追い払おうとする者など
まともに戦えてない印象ださっき聞いた話だと
挟み撃ちにして蛇を切り落とせば石化ブレスは
出せなくなるらしい、一人全くブレスを浴びてない
人がいるあの人が戦い易いよう後ろに回り込む
【特殊走行】で後ろに回り込みリンクソードの
鉄鞭で蛇を絡め取り棘を出し切り裂く
『グギョ〜!?!』
魔物がジタバタ暴れ出す聞いたとおり
自分のブレスで苦しんでる蛇がいないと
必須濃度に出来ず自分で麻痺するんだ
岩に見えてる部分も麻痺して表面を石化しただけ
もうただのデカイ鶏だ【石化ブレス】を得た
【副次体外頭脳】を得た【微毒蹴り】を得た
今のスキル強奪で本当に鶏になった
この調子なら無事倒して帰れそうだ
頭に棍術を叩き込めば倒せる筈だ
「くらぇええ!!」
棍術連打からのブッた切りこれでお終いだ
基本技【カチ割り】を得た【ホームラン打法】を得た
技も覚えたし一石二鳥だ今夜は焼き鳥かな?
「まさかオマエコカトリス食う気か?」
流石にダンジョンで取れたし換金かぁ…
「食わせてやりたいのは山々だが
うちにはコカトリスを解体出来る職人が
いなくてな解体にはスキルがいるからなぁ」
スキルが有ればこのコカトリスは
美味しく食べれるらしいそれなら
「スキル持ってます【解体術】ですよね」
その後鑑定士さんに鑑定してもらい
変わったスキルがあるが【解体術】で
コカトリスを解体する事になった
結構大変だったがコカトリスは特殊な
石化嚢と呼ばれる臓器摘出だけで
他の鳥と同じように食べれるらしい
ちなみに蛇の方が知能が高く本体ではないかと
研究結果が出ているらしい鶏の方が
生命力は高そうだがどうなのだろう?
「でコレがそのコカトリスの焼き鳥です」
食堂で使ってもらう事になったが流石に
見た事がないのだろうざわついてる
冷蔵装置で冷やした果実水でグッと流し込む
クゥ…、コレの為に戦ったような者だ
レモンを炭酸で割ったヤツ美味い焼き鳥に合う
俺がまず一皿をたいらげると食堂中の人達が
一本ずつ取って齧る肉汁といい弾力といい
まるで軍鶏歯ごたえがあるながら肉汁と旨みが
素晴らしい美味さ女将さんの火魔法による
焼き加減、炭と高火力でジュッと焼いて
ぎゅっと旨味が詰まっているわざわざ竹串を
用意してもらったかいがあった本当に美味い
「ほらやげんがあがったよ食べて食べて」
敢えてレモンと胡椒のみのやげんナンコツ
ぷりぷりの肉とコリコリな軟骨
レモンできゅっと引き締まり胡椒の刺激
鶏肉の旨み食感もコリコリ楽しい
「はい皮せんべい久々だし油しっかり使ったよ」
サクサクで独特の風味とサクもちした食感だ
ん?ボスが呼んでる何だろうか?
「何ですかボスあまり食べてないみたいですが」
ボスは少し考え話し出す
「今日にどうしたもんか迷ったがオマエは
皆伝書を受け取るべきレベルだ明日の朝
街の端にある決闘場に装備整えて来い
腕を見て奥義皆伝の条件を満たすか見てやる
気合い入れて手ェ抜くなよ、今のうちに
しっかり食って英気を養っておけ」
何というか信じられないが勝てれば奥義皆伝
「勝ってませます!」
ボスがふんと言いニコリと笑う
「言ってくれるじゃないか、期待してるぞ」
ボスは一足先に寝に上がったようだ俺が店に戻ると
「よっ!君明日奥義皆伝の為にボスと
やるんだろ?俺は毎回審判をしてるトム、
トム・トールマンだよろしくしっかり食って
勝てよ流石に贔屓は出来ないが応援してるぜ」
教会付近のだだっ広いコートがある
対魔法対衝撃性の高いリングが特殊な金網で
ぐるっと包まれており辺りに決闘を見に来た客と
騎士団数十名が辺りを見回り、教会から蘇生術師
まで来ているようだ、娯楽が少ないから仕方ない
「スウ…ヒュー…」
リングに上がると観客達の熱気が伝わってくる
一瞬勝てるだろうかと考えてたがコレだけの客だ
勝たないわけには行かない勝つんだ
「ちょっと待たせたな、テーピングの
やり方を久しく忘れててな、確かこうだよな」
ボスは腕にガントレットをつけ上半身裸
ハーフパンツでリングに上がる前髪に油を擦り
固め意気揚々とリングに上がる
「さぁぼうず気にせず全部出して来い」
だったらリングソードと【特殊走行】
を使った飛び蹴りで一気につめるまでだ
ガントレットが軋み俺を弾き飛ばす
ギリギリリング端でとまりリングソードで
空高く飛び【カチ割り】からクビに絡まり
逸らし回転しようとするが重くてラナが入らない
そして胴体を掴まれ飛び上がり叩き付けようとする
「ぬぅおぉおお!!」
ギリギリで腕でたえるが下手すれば
頭をかち割られるとこだった予想通り強い
朝から【魔力弾】を出し逃げるが甘いな
【微毒蹴り】を使えば良かったのに、
冷静になれ冷静に確実に攻めていくんだ
リングソードを片方剣にして渡す
「剣技に自信があるようだな、ヨシのってやる
全力でかかって来いぼうず、ウォオオリャァア!!」
剣がぶつかりキュリキリと鳴る、不快な音だが
今は気分が良い何だとなく打ち合い
一か八かズラシをぶちかます首が…空いてない!?
しまった!読みを間違えた剣で庇ったが
何か他に方法はないか、俺の俺の強み…そうだ
まだアレが有る一か八か【怪力】と【絶倫】を使い
「他が無いなら…殴り合いじゃあ!!」
何発何十発と殴り合い数十分が過ぎた頃
トム・トールマンは語った審判からしても
今世紀最大にとんでもない試合だったと
「中々ゴツイじゃねぇかぼうず」
肩で息を切らし俺は踏ん張る……そして
サンダース・ベイクド=モチョチョが先に倒れる
「え!?……マジやったぞぉ…」
俺も安堵し急にふらつき倒れた
目を覚ますと教会の治療室で寝かされており
枕元には箱があり中には奥義皆伝の書と書かれてる
俺勝ったんだスキルがあったとはいえボスに勝った
嬉しいような少し寂しいような気分である
皆伝書を読むとボスのタフさが分かる内容だった
【剛芯】体幹強化のスキル【鉄皮】防御力上昇スキル
【天眼】僅かな未来を感じとるスキル
コレが奥義書かそりゃみんなが欲しがるわけだ
このスキルも思い出も大切にしようこの先
何が起こるかわからないが挑んで行ける筈だ
「もう動けそうですか?決闘相手のかたが
治療が終わったら食堂に来るように言ってました」
治療師の女性にそう言われ俺は食堂にむかった




